米MathWorks社は2011年4月、制御システム開発ソフトウエア「Simulink」の検証ツールについて、ISO 26262に準拠した開発プロセスで利用するための認証を取得したと発表した。ISO 26262は、自動車向けの機能安全規格であり、組み込みソフトウエアの開発プロセスについても定めている。
今回認証を取得したのは、「Simulink Design Verifier」のテストケース自動生成機能と、「Simulink Verification and Validation」のモデルカバレッジ計測機能である。認証団体は、ドイツTÜV SÜD社。
Simulinkのツールでは、これまでに、組み込み機器向けのC/C++コードの生成を行う「Emedded Coder」(旧名称は「Real-Time Workshop Embedded Coder」)と、生成したコードの検証を行う「PolySpace」が、ISO 26262に準拠した開発プロセスで利用するための認証を取得している。
ISO 26262では、組み込みソフトウエアの開発プロセスについて詳細な規定が設けられている。開発した組み込みソフトウエアがISO 26262に準拠していることを示すには、これらの規定に沿って開発していることを明示する文書などを作成する必要がある。しかし、ISO 26262に準拠した開発プロセスへの適合認証を取得したツールを用いて開発を行えば、その開発プロセスがISO 26262に準拠していると見なすことが可能になり、文書作成などの手間を省くことができるようになる。MathWorks社は、新たに認証を取得した2つのツールを使うことにより、Simulinkを用いたモデルベース開発環境において、ISO 26262に準拠した組み込みソフトウエアの開発がより効率的に行えるようになるとしている。
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