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計画停電は本当に回避できるのか、新潟県の検証実験では17%節電スマートグリッド

夏季の計画停電は回避できそうだという発表が相次いでいる。新潟県は、県内全域でのピークカット検証実験を通じて本当に計画停電が回避できるのか、節電の効果を検証した。予定していた15%以上の節電効果が得られたものの、他の都府県の協力は必要不可欠であるという。

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 東日本大震災により各地の発電所が停止している。例えば、東北電力の電力供給能力は約2/3に低下している。

 新潟県は、大規模な計画停電回避を目的に、どの程度の節電が可能なのかを調べるため、新潟県内全域*1)を対象とした検証実験「ピークカット15%大作戦」の第1回トライアルを2011年4月13日に実施した。その結果、前年比で約17%(約40万kW)を削減できたという。

*1)島しょに位置し、電力系統が異なる佐渡市と粟島浦村は今回のトライアルの対象外である。


企業と家庭が協力して夕方の節電達成

 ピークカット15%大作戦の対象時間は午後5時から午後7時、県内の企業や一般家庭が対象である。新潟県によると2010年4月には、夕方のピーク需要が5時から7時であったため、この時間帯を選んだという。

 昨年の同じ曜日、2010年4月14日水曜日の消費電力は、234万kW(17時〜18時)、241万kW(18時〜19時)だったが、今回はいずれの時間帯も17%の削減に成功した。新潟県では震災後、9%〜10%の節電が続いているため、さらに7ポイントから8ポイントの上積みが達成できたことになる。

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図1 ピークカット15%大作戦の結果 2010年4月14日の消費電力(紺色)と検証日前日の2011年4月12日(ピンク色)、当日の2011年4月13日(赤色)を示す。縦軸は万kW、横軸は時刻(18時の数値は17時から18時の消費電力量を示す)。東北電力の協力で計測した数値。出典:新潟県

 新潟県民に対しては、工場やオフィスの操業時間の変更やエレベータの一部停止、冷暖房温度を1℃変更する他、不要な照明の消灯や消費電力の大きな家庭用電気製品を使わないことを求めた。

 新潟県は複数の企業の事例を公開している。トライアル前日の消費電力が400kWだった企業(製造業)は製造ラインの停止と消灯により70%を削減できた。照明を少なくし、17時で操業を停止した企業(製造業、358.6kW)は99%削減した。店内照明を少なくした企業(店舗、8kW)は25%、エレベーターホールの消灯などで協力した企業(集合住宅、3.9kW)は21%を削減できた。一般家庭でも一部屋に家族を集める、食事の準備時間をずらす、暖房器具を電気から石油に置き換える、テレビを見ないなどの方法で、44%〜68%(前日の消費電力1.9kWから2kW)を節電した3例を示した。

新潟県だけでは回避できない

 今後は、第2回のピークカット15%大作戦を4月27日(午後6時〜午後8時)に実施し、夏季に実施するピークカットの効果を検証していく。

 新潟県知事の泉田裕彦氏によれば、新潟県の取り組みだけでは夏季の計画停電回避は難しいという。今回の実験は、震災直後の計画停電予告時から計画を始め、3月31日から県民に予告して実現したものである。他の都府県でも実施までに計画から1カ月程度の時間がかかることが考えられる。電力需要が急増する7月以前に実施するためには、すぐに計画立案に入らなければならない。

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