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3次元データ形式とツールの関係を考える3次元って、面白っ! 〜操さんの3次元CAD考〜(3)(3/3 ページ)

あなたはどうしてソリッドモデラーを使うのか、考えたことはある? もしかしてサーフェスモデラーでもいいのかも!?

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コンセプチャルなものや自由な形状の作成にむくCG

 世の中には、寸法だけで決められない形状も多いでしょう。工業製品でもいわゆる自由曲面で定義するものがあるし、ましてやアニメのキャラクターのようなフィギュアとか、有機的な形状などのモデリングがその典型です。特に先ほどのクマのような形の場合には、モデリングの初期の段階では、寸法そのものよりも、見た目のバランスなどの方が重要です。そんなときにCADのように寸法で形状をいじるのは、やっぱり面倒くさい。エクスプリシットモデリングなどのCADだったら直接いじることができるだろうという説はありますが、そうは言っても、やっぱりポリゴンモデラーのような自由さではありません。要するに、粘土細工のように、寸法のことを忘れて形状をいじりたいときにはポリゴンのCGモデラーが向いているといえるでしょう。

 先日の「俺グッズ」の記事の中で、クマ型のホルダーを作ろうとして、ネコになってしまったけれど、あれもどうもクマらしいバランスを取ろうとして失敗したのです。あれも、もうちょっと根気よくやれば、クマらしくできたのかもしれません。

 しかし早い話、面倒だったのです……。本当にクマの形状のモノを出荷するのであれば、それでもやったのでしょうが、取りあえず記事の執筆が目的だったので、あれで妥協しました。やっぱり、あの手の形状はポリゴンをいじるように作れたら、もっと楽だったのにと思うのです。

もっと自由にツールを使い回したら?

 何やら、当たり前の話を書いている気がしないでもないのですが、このようなことは、実は私自身がCADベンダーにいたときは、全く考えもしなかったのです。当たり前だけれど、お客さんもCADが向いた製品を作っている会社の人たちだけだったし、CGといえば、きれいな画像を作るくらいしか思い付かなかったのです。

 では、実際にモノづくりの現場においてモデリングツールを使っている皆さんは、いかがでしょうか。CGツールを使っていても、グラフィック目的のみで使っているのか、あるいはモデリングのためのツールとしても意識しているのか? 残念ながら私は、その手の情報を持ち合わせてはいないので、知りたいのです。

 例えばアニメなどの仕事をしていても、別にCGで形状を作らなければいけないわけではありません。いわゆる、ロボットを始めとするメカモノはCADで作った方が効率がよいでしょう。実際にそのように作っているところは既にあります。

 で、今日の結論はというと……、やわらかいモノならポリゴンでモデリングを、かっちりしたモノは、数学的にしっかり定義されたデータを扱うことができるCADを、という話になります。

 どの種類のツールを選べばよいのか、というときには、そのツールが使っているデータの形式を見れば、分かりやすいのではないでしょうか。それから、普段はCADのみをモデリングツールとして見ているのであれば、お持ちのCGもデザインツールとしてみて見れば、いろいろと仕事の幅が広がるのでは。

Profile

水野 操(みずの みさお)

1967年生まれ。ニコラデザイン・アンド・テクノロジー代表取締役。首都圏産業活性化協会(TAMA協会)コーディネータ。外資系大手PLMベンダーやコンサルティングファームにて3次元CADやCAE、エンタープライズPDMの導入に携わったほか、プロダクトマーケティングやビジネスデベロップメントに従事。2004年11月にニコラデザイン・アンド・テクノロジーを起業し、オリジナルブランドの製品を展開しているほか、マーケティングやIT導入のコンサルティングを行っている。著書に『絵ときでわかる3次元CADの本』(日刊工業新聞社刊)がある。



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