日本ナショナルインスツルメンツ(以下、日本NI)とJSOLは、両社が協力して開発したモーター用HILS(Hardware in the Loop Simulation)システムの販売を開始した。
このモーター用HILSシステムでは、JSOLの電磁界解析ツール「JMAG」の機能「JMAG-RT」で生成したモーターのモデルをそのまま利用できる。これまで日本NIが提供してきたHILSシステムのモーターで使用できるモデルは、同社のグラフィカル開発環境「LabVIEW」で標準的に利用できる、電圧方程式もしくは物理方程式をベースとした線形のものに限られていた。
HILSシステムにおけるシミュレーションの精度を高めたい場合には、モーターの動作の形状依存性、磁気飽和や空間高調波による非線形特性などを考慮したモデルが必要になると言われている。JMAG-RTを使えば、このような高精度のシミュレーションを行うのに必要なモーターのモデルを、JMAGの解析データから生成することができる。
なお、今回発表されたモーター用HILSシステムは、JMAG-RTで生成したモデルをLabVIEWで利用可能にする機能を用いた初めての製品となる。
システムのハードウエアは、日本NIの汎用計測モジュール「PXI」、LabVIEWで作成したプログラムをそのまま動作させることができるFPGAボード「Flex-RIO」、ユーザーの開発環境に合わせたインターフェースボードなどから構成されている。価格は500万円からだが、JMAGとJMAG- RTについては、システムの価格に含まれていない。
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