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流行のスマートを本当にスマートにするには本田雅一のエンベデッドコラム(3)(1/2 ページ)

モノづくり現場を数多く取材してきたジャーナリスト・本田雅一氏による“モノづくりコラム”の新連載。テクノロジーを起点に多様な分野の業界、製品に切り込んできた本田氏による珠玉のエピソードを紹介しつつ、独自の鋭い視点で“次世代のモノづくり”のヒントを探る。(編集部)

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 昨年来、めったやたらとさまざまなところで「スマート」という言葉が使われている。スマート、すなわち「賢い」はずなのだが、本当にスマートといえるかどうか微妙な製品も多い。そもそも、スマート製品の定義もあいまいだ。ユーザー視点に立ったときに、本当に“賢い(スマート)”と思える製品を作るにはどうすればいいのだろうか。

 このところ“スマートデバイス”と呼ばれている製品の多くは、インターネットに接続され、ダウンローダブルなフロントエンドアプリケーションを用い、各種ネットワークサービスをカスタマイズされたユーザーインターフェイスで楽しめるものだ。

 スマートフォンしかり、スマートタブレットしかり、そして今年のInternational CES 2011で話題となったスマートテレビしかりだ。身も蓋(ふた)もないいい方をすると、これらは単にネットへのユーザーインターフェイスになっているだけで、賢いのはネットワークサービスとして実装されたアプリケーション側である。

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画像1 International CES 2011でパナソニックが発表したスマートテレビ「VIERA Tablet」

 しかし、軽量コンパクトでバッテリ消費も少ないデバイスを通じて、より大きなリソースが必要なアプリケーションをネットワーク経由で、まるで手元にすべての価値が提供されているかのように見せることで、ユーザーにより高い価値を感じさせるという側面で考えると、デバイス自身のインテリジェンスが高くなくとも、これはこれで“賢いやり方”とはいえるだろう。

 今年は“スマートデバイス元年”と一部でいう人もいるように、スマートフォン、タブレット、テレビなどスマートな各種製品で大いに盛り上がるだろう。

 とはいえ、やはりユーザー視点から見た賢いデバイスという切り口での進化の余地、余白部分はまだまだ大きいと思う。

 ユーザーにとって本当にスマートなこととは何だろうか。流行中の“スマート”的アプリケーションの構築フレームワークを、身の回りの分野で生かすのも手だが、ここで本当にスマートなこととは何かを考え直してみるのもいいのではないか。

 キーワードをスマートさ、すなわち“賢さ”に持ってくるなら、アプローチの1つとして一定水準以上のインテリジェンスをもって、ユーザーにさりげなくサジェスチョンを提供する。そんなことがまず思い付くだろう。

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