自動車や家電など製品開発は、構造力学や材料力学が基本である。一方、材料開発は、材料強度学や破壊力学が基本となる。前者は「材料は均一で、亀裂がない」という仮定の下で、検証するにすぎないが、後者では疲労や亀裂などを検証するため、材料の分子レベルで強度を検証していかなければならず、難解である。
材料開発のおける強度検証は、非常に長い時間も考慮するため、おびただしい数の実験を繰り返すことが前提となる。その際には、統計学的手法を使った評価も取り入れられる。
材料/化学業界の解析事情
最近は、ナノテクノロジーという言葉が、だいぶ世の中に浸透している。もともとは、半導体開発から生まれた言葉である。新材料開発におけるCAEは、特にナノレベルの目に見えない世界を可視化できることも強みだろう。分子レベルの強度解析や、異なる物質同士を撹拌する際の流体解析などがよく行われる。
半導体、航空機、自動車、建築物などに使われる複合材料開発では、マルチフィジックスやマルチスケールなど高度なCAE活用が進んでいる。
分子レベルで有限要素法解析を行うことになれば、計算規模は極めて大きくなる。また、実験データを統計的手法で評価する必要もある。その際には、HPCによる処理能力によるバックアップは非常に重要になる。
電気自動車開発や、環境対応設計が進む中、今後、CAEはよりホットになっていくだろう。電気自動車や家電などに使われる二次電池では、その品質を安定させるため、化学反応をCAEで定量化することが望まれている。熱疲労による破壊が起こりやすい無鉛はんだの解析も今後、注目したいところだ。
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