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CreoはGRANITE One拡張カーネルを実装PTCの新製品の今後について、米国本社のエグゼクティブ自ら語る

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 2010年12月9日、PTCジャパンは「PlanetPTC Japan」をワシントンホテル(東京)で開催した。会期中は米PTCのエグゼクティブも来日、MONOist編集部では米PTC 設計・ビジュアライゼーション製品部門 ディビジョナルバイスプレジデント マイケル・キャンベル(Michael M. Campbell)氏にインタビューする機会を得た。キャンベル氏はCreo製品群の製品戦略、要件定義、ソフトウェア製品提供と品質管理を含む研究開発・製品管理の責任者だ。以降では、そのインタビュー内容を紹介する。

――Creoのコンセプトや方向性について、既存ユーザー企業の反応は?

 Creoについては、プレス発表前に70社程度の顧客に説明に足を運びましたが、好意的な意見が多数でした。2011年6月リリースを予定しているCreo 1.0では、旧Pro/Engineerに含まれているさまざまな機能をモジュールとして分解して提供できるようになります。

 2011〜2012年にかけて徐々に「共通データモデル」の統合強化を進め、2012年に予定されているバージョン3.0ではほぼ完全にデータモデルが統合される見込みです。

――データの持ち方とその安定性について、心配している利用者が多いのではないかと思います。実際のところはどのようでしょうか?

 Creoは、何らかの1つのファイルを出力するというものではありません。

 ビューの情報、ジオメトリ情報、履歴情報……、さまざまな情報を「Chapter」として整然とストックし、必要に応じて、必要なフォーマットで出力していく仕組みになります。各Chapterの定義の中には当社独自の(アプリケーションなどに依存する)ものもありますが、ほとんどはオープンな規格に準拠しているので、サードパーティ製の製品との組み合わせも容易になるはずです。

 データの持ち方も規格もオープンですから、ルールに則したデータがあれば、問題なく動作するはずです。Pro/EngineerとCreo 1.0は100%上位互換を保証しています。ご存じのように、CoCreateには板金向け、金型向けなどの特殊な機能があります。これらの機能を正しく統合するには、時間が必要です。

注:Creoでは、「共通データモデル(Common Data Model)」という同社製品の共通データモデルが用意される。Pro/Engineerの持つデータ構造に近いようだが、ジオメトリ情報や操作履歴などを「Chapter」ごとに記録、必要に応じて必要なChapterの情報を都度提示していく形になるようだ。




米PTC 設計・ビジュアライゼーション製品部門 ディビジョナルバイスプレジデント マイケル・キャンベル氏

――Creoではどのようなカーネルを採用しているのでしょうか? 従来と異なるカーネルを使うのでしょうか?

 カーネルについてはまったく新しいものというわけではなく、Pro/Engineerで使っているGRANITE One(グラニッドワン)を拡張したものを採用しています。Pro/Engineerユーザーなら問題なく移行できるでしょう。

――Pro/Engineerでは、インストールおよび初期設定が非常に難解かつ煩雑だといわれてきました。

 まったくですね。開発陣もあれには嫌気が差していたんですよ(笑)。

――Creoではこの点についての改善を期待する声も多いようです。

 インストールの煩雑さについてはわれわれも非常に気になっていた部分です。Pro/Engineerのインストール作業は、ライセンスを入力し、アカウント情報を入力し、メールアドレスを入力し……と、ユーザーにたくさんの作業を求めるものでした。Creoではもちろん、この問題の多くを解消しています。

 例えば、多くの初期設定フローを自動化しています。設定情報を自動で読み込んだり、ライセンス情報もインストーラが自動で確認したりと、ストレスのない導入ができるようにしています。いま、インストールで苦労されているなら、ぜひCreoを導入してみてほしいですね。

――下位互換性(従来バージョンのPro/Engineerなどの)の問題は完全に解消されるということでしたが、実際はどうなのでしょうか?

 今後、Creoで作成したデータ同士であれば100%の互換性を持てるようにしています。CoCreateのデータについてはこの対象外となる部分もありますが、Pro/Engineerであれば問題ありません。

――CoCreateで作成したデータは、Creoが要求する情報の多くを保持していません。今後のCoCreateのアップデートではこれらの問題も徐々に解消されるのでしょうか? CoCreateユーザーは今後どのようなステップでCreoを導入していくべきでしょうか?

 ご指摘のように、CoCreateはいますぐにCreo上に統合できるとは思っていません。データ構造も異なりますし、それ故のCoCreateの機能というものもあります。今後、3年程度はCoCreate単体でのアップグレードを継続する予定で考えています。その間に、徐々にCreoのデータモデルに統合していく考えです。

――データモデルの完全な統合はいつごろを予定していますか?

 Creoバージョン3.0で、データモデルの完全統合を実現する予定です。3.0のリリースは2012年10月になる見込みです。

――価格、製品のパッケージの詳細についての見通しは?

 これはいままさに検討している段階です。製品自体は2011年6月のリリースに向けて現在QAの工程にあり、ソフトウェアとしてはもうほとんど仕上がっている状態ですが、価格などについて決定するのはおそらく2011年の春ごろになるでしょう。

――ありがとうございました。

 PTCはCreoの名の下に同社製品の統合を徐々に完成させつつあるようだ。同社のビジョンを体現するため、今後3年程度の間にダイナミックなアーキテクチャ変更が行われていくことになるだろう。

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