PS2のスナップフィット&ナットプレート:甚さんの設計サバイバル大特訓(8)(3/3 ページ)
テレビゲーム機 PS2の外装ケースに秘められた「あっぱれ!」な設計サバイバル術は、板金と樹脂のコラボがポイント!
スライド&スナップの設計サバイバル術
樹脂と板金の融合に関する第3(最後)の事例で、優れものの「小道具」を紹介しましょう。
図4と図5は、組み立て性とリサイクル時の分解作業性を両立させた「設計サバイバル術」です。図中の写真は、プリンタの部品です。
板金部品には、「引掛け固定部」を2カ所に設け、これを樹脂部品に設けた2カ所の「挟み口」に挿入します。さらに、その中央部に、スナップフィットがあり、外れないための円形ボスを有しています。
この円形ボスにより、組み立てもリサイクル時の取り外しも容易でありながら、セット状態では、なかなか外れない効果を提供しています。
設計センスに優れたプリンタの部品に、「あっぱれ!」です。
図5 優れもののスライド&スナップ その2(『ついてきなぁ! 加工部品設計で3次元CADのプロとなる!』日刊工業新聞社刊より)
先日、当事務所のホームページに再び、相談が舞い込みました。
「3次元CADを選定していますが、先生はどこのメーカーをお勧めですか?」
「どこのメーカーではなく、安価でシンプル、しかし、アセンブリ(組立て体)の360度で断面が自由に切れる3次元CADを選択してください」、または、「アセンブリの断面作成が苦手なメーカーは避けてください」
と。
そして、「豚に真珠、猫に小判」にならないようにと。
また、お会いしましょう(次回へ続く)。
Profile
國井 良昌(くにい よしまさ)
技術士(機械部門:機械設計/設計工学)。日本技術士会 機械部会 幹事、埼玉県技術士会 幹事。日本設計工学会 会員。横浜国立大学 大学院工学研究院 非常勤講師。首都大学東京 大学院理工学研究科 非常勤講師。
1978年、横浜国立大学 工学部 機械工学科卒業。日立および、富士ゼロックスの高速レーザプリンタの設計に従事。富士ゼロックスでは、設計プロセス改革や設計審査長も務めた。1999年より、國井技術士設計事務所として、設計コンサルタント、セミナー講師、大学非常勤講師としても活躍中。Webでは「システム工学設計法講座」を公開。著書に「ついてきなぁ!加工知識と設計見積り力で『即戦力』」(日刊工業新聞社)と「ついてきなぁ! 『設計書ワザ』で勝負する技術者となれ!」(日刊工業新聞社)がある。
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