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モノづくりの環境対策と環境配慮、何が違う?モノづくり最前線レポート(26)(2/2 ページ)

NECがグループ内で実践する「環境配慮設計」とは? グローバル設計・開発時代にObbligatoが提案する手法と仕組みを聞く

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「ものづくりまるごとエコ」はユーザーに訴えかける一歩先を行く取り組み

 Obbligatoブースの中で注目したのは「環境配慮」設計という概念に踏み込んだソリューションを参考出展していたことだ。

 環境に影響のある物質を含む製品を製造する際には、地域や業種によって含有量制限や申告の義務が課せられているのは周知の通り。REACH、RoHSなどの規制がその代表だろう。このほかにも業界団体ごとにルールがある場合もある。

 部品メーカーでは、企業グループや製品分野ごとに指定されたフォーマットで申告を行わねばならず、さまざまな帳票フォーマットに対応しなくてはならない煩雑な作業を伴うものだ。

 Obbligato IIでも規制に対応すべく統合化学物質管理ソリューションを用意しており、製品別、拠点別の含有物質管理が統合BOM環境の中で完結できる仕組みが実現している。また、Obbligato IIIでは同様の機能をクラウド環境下で運用することも可能だ。規制物質情報データベースサービスであるJUMP-GPやIMDSとの連携、JAMA/JGPSSIなどの業界別のルールなどに対応した調査機能を提供する。こうした規制への対応は、企業にとってはやむを得ないコストであるという認識が強い。

 では、同社が新たに提唱する「環境配慮」とは何だろうか。

 「製品購買行動の動機付けの1つに環境に配慮したエコロジカルな製品であるかどうか、というポイントが重視されつつあります。また、企業ブランドとしても環境に配慮しているかどうかも評価やイメージを大きく左右します。こうした中で、積極的に環境に配慮したモノづくりをしていることを消費者に示すことは、製品や企業にとって非常に大きなメリットとなります。付加価値の高いモノづくりを目指すなら検討すべきポイントといえるでしょう」(ブース説明員)。

 規制物質対策はどちらかというと、法規制への対策として対行政・政府向けの対策だ。規制に対応していなければ出荷できないことから、リスク回避としての意味合いが強く、対策によって積極的に収益や社会的価値に結び付け難い。

 「今回は参考出展としてコンセプトのデモンストレーションを行っていますが、NEC社内ではすでに同様の仕組みを導入しています」(ブース説明員)。

 NECではObbligato製品をベースに、「ものづくりまるごとエコ」として包括的な環境配慮の取り組みを進めている。

 「『環境配慮』設計は以前からいわれている『環境対策』『環境対応』など、法的拘束力のあるルールに義務として対応するものではなく、より積極的に環境に配慮したモノづくりを行うことで、付加価値の高い製品づくりを行っていくための考え方です」(ブース説明員)。

 今回同社が「ものづくりまるごとエコ」で提案するのは、規制物質だけでなく、エネルギー消費量やCO2排出量、廃棄の容易性についても意識した設計を目指す取り組みで、より積極的な環境対策といえる。同社ではこれを「環境設計アセスメント」として定義。原料、材質、解体の容易性などの基準を個別に設定し、チェック項目をクリアしなければ次のプロセスに進めない仕組みを作り上げているという。加えて、設計や生産プロセスで入力された情報はそのまま製品情報として消費者にも開示できる。例えば、生産物流などを含む製造工程全体での温室効果ガス排出量やカーボンフットプリントなども開示情報に含まれる。NECではこれを「ものづくりまるごとエコ」として消費者に支持されるモノづくりを目指す企業に提案していくとしている。

 「今回はデモ展示として参考出展しましたが、すでに自社で活用していることもあり、お客さまの意見を取り入れながら製品化を目指しています」(ブース説明員)とのことなので、今後実際の製品化に期待したい。

NECが運用する環境配慮製品情報管理システムの概念図
NECが運用する環境配慮製品情報管理システムの概念図

◇ ◇ ◇

 このほか、Obbligatoと接続して利用することもできるERP製品「IFS Solutions」の展示もあった。欧州を中心に多数の導入実績を持つ同製品は、ERPの各機能ごとにモジュール化されており、用途に応じた組み合わせをスムーズに実現できるのが特徴だ。現在はクラウド環境下での運用にも対応しており、効率のよいシステム運用を見込める。

IFS Applicationsもクラウド環境下でのサービスを展開している
IFS Applicationsもクラウド環境下でのサービスを展開している

製造業向けクラウド

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