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設計は終わったのに図面作成の山――図面作成ツール活用法電気回路設計者向け 実践! EDAツール活用法(8)(2/2 ページ)

設計は終わったけど、図面作成が山のように残っている……。プリント基板の図面を簡単に作成する方法は?

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4. プリント基板専用の図面作成ツール活用事例

 米国Downstream Technologies社製「BluePrint-PCB」は、プリント基板用の図面や指示書の作成専用に開発されたツールです。このBluePrint-PCBはプリント基板用CADから出力されるデータ「ODB++」をインポートすることで、プリント基板用CADが持っている膨大なデータを取り込み、プリント基板用の図面や指示書を簡単な操作で短時間に作成することができます。図面中で頻繁に使用するタイトルブロックや注意書きなどはテンプレートとして登録しておき、これを呼び出すことで簡単に配置できるため、統一された形式の高品質な図面を短時間で作成できます。

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図3 BluePrint-PCB

 また設計変更は、変更済みのODB++データをプリント基板用CADから再度読み込むだけで、高多層の基板でもすべてのレイヤ情報を瞬時に差し替えることができます。

 このBluePrint-PCBを使用し、それまでのプリント基板用CADでの図面作成との所要時間を比較したところ、実に80%の時間を削減した事例があります。この事例では大幅な作成時間の短縮に加え、図面の出来栄えも向上しています。

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図4 図面作成時間比較

ODB++とは?

一般的なプリント基板CADから出力されるデータ形式の1つ。ガーバーデータやNCデータだけでなく、層構成や接続情報、部品情報などCADが持っている膨大な情報を包含したデータです。インテリジェントな製造用データとして世界的にデファクトスタンダードになっています。


5. 最後に

 「餅は餅屋」という言葉がありますが、優秀な設計技術者を図面作成に長時間縛り付けることのないように「図面は図面に特化した専用ツール」で作成してみませんか? EDAツールに限ったことではありませんが、専用に作られたものは使ってみると驚くほど便利で、一度体験してみる価値ありです。

 というわけで2010年3月から続いたこのシリーズ「電気回路設計者向け 実践! EDAツール活用法」は、今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございました。

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