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ダイレクトもパラメトリックも変換なしで自由自在PTCの新しいメカ設計システム「Creo(クリオ)」

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 PTCジャパンは2010年11月8日、メカ設計のための新システム「Creo(クリオ)」に関する記者説明会を行った。名称の由来は、「創造」を意味するラテン語から。同製品は、同年10月28日(現地時間)に米PTCが行ったバーチャルイベント内(Webイベント)で発表されたもので、同年6月に開催した米PTCのプライベートイベントでは「Project Lightning」という呼称で紹介された。「Creo 1.0」の販売開始は、2011年中旬(夏)を予定。β版については2011年春から提供開始予定とのことだ(英語版のみ)。

 PTCは、今回の新ブランドの発表と合わせ、ロゴのデザインも淡色基調に刷新。今後20年を見据えたという次世代CAD Creoへの意気込みを象徴している。

 旧製品の名称は、今後、以下のように改名する。これらの製品は、Creoのサブブランド的位置付けになる。

  • パラメトリック3次元CAD「Pro/ENGINEER」→「Creo Elements/Pro(クリオ エレメンツ プロ)」
  • ノンヒストリ3次元CAD「CoCreate」→「Creo Elements/Direct(クリオ エレメンツ ダイレクト)」
  • ビジュアライゼーションソフトウェア「ProductView」→「Creo Elements/View(クリオ エレメンツ ビュー)」

 2010年11月のメンテナンスリリース分から上記の名称変更を適用する。

 Creoの価格について、具体的なことはまだ明かせないとのことだが、「大変お求めやすい価格の製品も提供予定」と同社は回答した。

 Creoは、さまざまなアプリケーション群で構成される。「AnyMode Modeling」は、2次元製図、3次元パラメトリックモデリング、3次元ダイレクトモデリングのそれぞれの機能を自由に行き来しながら、同じ設計データを扱うことができる機能だ。例えば、ダイレクトモデリングのアプリケーションで修正したモデルは、パラメトリックモデリングのアプリケーションで開くと、修正個所が緑色にハイライトし、修正を反映するかしないか尋ねてくる。修正を反映後も、寸法拘束やフィーチャーツリーを維持する。モデルデータに埋め込まれた設計関連の情報も失われることはない。

 上記のようにモデリング手法を行き来する際には、データフォーマットの変換がいちいち行われるわけではない。手法をまたいでモデリングすると複数(手法によった)の拡張子のファイルができ、Creoが複数できたモデルの修正を取りまとめ、ユーザーにはあたかも1つの3次元モデルファイルを扱っているかのように見せる。

 「AnyRole Apps」はPTCが持っている技術に基づいた機能を用途・職種に合わせて選別し、1つのプラットフォームにまとめて提供するアプリケーション。各プラットフォームのGUI、使い勝手も統一を図った。

 例えば、設計者向けには、3次元モデリングの成熟度や設計対象(方針)に合わせ、パラメトリックモデリング(Pro/ENGINEERベースの技術)とダイレクトモデリング(CoCreateベースの技術)を使い分けられるアプリケーションを提供する。加えて、2次元構想設計専用の新ツール「Creo AnyRole Apps 2D」も選択可能とする。こちらは「3次元よりも2次元の構想設計が向いている場面はこれからもなくならない」というユーザーの声により生まれたツールとのこと。

 また3次元CADを使った設計業務が主ではない解析専任者にとっては、パラメトリックCADはオーバースペックである。そこで、解析モデル準備用として、ダイレクトモデリング(CoCreateベースの技術)を提供する。

 そのほかAnyRole Appsは、例えば以下のような提供を想定しているという。

  • プロジェクトマネージャ向け:設計要件のデータ・3次元モデルデータの閲覧、断面作成、寸法計測、干渉チェックなどの機能を提供する。3次元モデルの編集機能はなし。
  • デザイナー(意匠)向け:サーフェス編集が得意なモデラーを提供する。
  • 企画・マーケティング担当者向け:3次元モデルや設計情報の閲覧、簡単に使えるレンダリングツールなど提供する。3次元モデルの編集機能はなし。
  • サービス担当者向け:3次元モデルを使い、テクニカルイラスト用の分解図やアイソメ図などを容易に作成するツールを提供する。3次元モデルの編集機能はなし。

マーケティング担当者向けのレンダリングツールの画面

サービス担当者向けツールの画面

 「AnyData Adoption」は、マルチCAD環境を実現するアプリケーション。AnyMode Modeling同様、データ変換という手段を使わずに、他社CADのネイティブデータをそのままCreoに取り込む。取り込んだデータは、AnyMode Modeling中の各手法で修正できる。修正したデータは、データ提供元に返せる。

 同社のPLM「Windchill」と連動するアプリケーションとしては、「AnyBOM Assembly」を用意した。こちらは、製品の部品構成を3次元モデルやPDMデータにしばられることなく作成できる。部品構成ツリーをドラッグ&ドロップで編集し、PLM側に反映させることが可能だ。

 上記のアプリケーションを具体的にどのようにパッケージ化するかは、現時点未定とのことだ。

CADに束縛されてきた日々からの、解放

 Creoはここ10年の3次元CADが抱えてきた以下の4つの問題が解決できるとPTCはいう。

使い勝手:3次元CADのヘビーユーザー以外にとって、パラメトリック3次元CADはオーバースペックで、習得しづらい。また習熟も容易ではない。

相互運用性:使用しているCADの種類が異なると、ダイレクトなデータ交換が行えない。ツールの統一は、実際、完全に実現できない場合も多い(サプライヤ、協力会社との連携設計の場合、ツールの統一は特に困難)。

技術的制約:ずっと使い続けてきたCADから離れることは容易でない。データをシステム間で容易に移管できないため(コストもかかる)。

アセンブリ管理の問題:シンプルな設計物ならCADのアセンブリ機能だけで対応できるが、複雑な設計物(小ロット多品種製品などの場合も)は対応が難しい。しかし現状のPLMは、CADのアセンブリと深い連携が取れていない。


囚人(CADに拘束された人たち)を開放せよ(米PTCのバーチャルイベントより) これが現状のCAD業界だ!

 同社は、CADの使い勝手について、CADの手法そのものの改善やGUIの改善では限界があると判断。その結果、データフォーマット変換というアプローチは取らずに、設計作業にまつわるさまざまなデータを効率よく相互連動させる道を選んだ。

 Creoは、同社が集積してきたIT技術を単に寄せ集めただけではなく、それらをうまく運用するためのシステムであり、その要素技術の中には特許申請中のものもいくつかあるとのことだ。

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