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【FTFJ2010】Ethernet AVBを用いた車載カメラシステム

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 米Freescale Semiconductor社は2010年9月、東京都内で開催したプライベートショー『Freescale Technology Forum Japan(FTFJ) 2010』において、車載情報系LAN規格としてEthernet AVB(Audio Video Bridging)を採用した車載カメラシステムのデモンストレーションを行った。

 Ethernet AVBは、イーサーネットを用いて映像や音楽を伝送する用途に向けてIEEE(電気電子技術者協会)が策定している規格であり、正式名称はIEEE 802.1AVB。伝送速度は100メガビット/秒(100Mbps)、1ギガビット/秒(Gbps)、10Gbpsの3種類から選択する。ドイツBMW社は、2013年以降に市場投入する同社の車両に、Ethernet AVBを採用することを明らかにしている。対象となる車載システムは、車両の前後左右などに設置した車載カメラの映像を用いて車両の周辺監視を行うサラウンドビューシステムである。


写真1 車載カメラシステムのデモ
写真1 車載カメラシステムのデモ 車載カメラユニットとスイッチングハブの評価ボードを接続するツイストペアケーブルの上に金属製のスプーンが置かれている。それでも、カメラで撮影した映像の伝送に問題が起きないことを示している。

 Freescale社が展示した車載カメラシステムは、車載カメラユニットとイーサーネットのスイッチングハブの評価ボードをEthernet AVBで接続している(写真1)。そして、この評価ボードとパソコンとを通常のイーサーネットケーブルで接続した。Ethernet AVBの接続ケーブルには、一般的なシールドなしのツイストペアケーブルが用いられている。伝送速度は100Mbpsである。また、車載カメラユニットには、カメラセンサー、Freescale社のマイコン「MPC5604E」、米Broadcom社のEthernet AVB用ドライバICを搭載している。MPC5604Eは、モーションJPEGのエンコーダや、イーサーネットコントローラ、Ethernet AVBで時間同期を行うのに必要なタイムスタンプの機能を内蔵している。一方、Broadcom社のドライバICは、100mという通常のEthernet AVBの最大伝送距離を30mに短縮することにより通信の信頼性を向上するなど、車載向けに特化したものとなっている。

(朴 尚洙)

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