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公差寄与度を把握して、安くてウマい設計を公差解析 基本中の基本(5)(1/3 ページ)

品質を高めようとやたら公差を厳しくしていませんか? 「公差寄与度」で、厳しくしなくてもいいところ、しなくてはいけないところが明確に。

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当連載の登場人物


Previously On 公差解析 基本中の基本

 OPT惑星エンジニアの先輩 ホノを訪ねるために、アズー、ココ、ナオのOPT星人3人組は才羽工業に潜入しました。ホノは、ちょっぴり少なめな髪を振り乱しつつ、張り切って後輩エンジニアたちに設計を指導していました。しかし、指導する彼自身が、公差解析について勘違いをしていたのです。彼に欠落していたのは、第3回に出てきた「分散の加法性」に関する知識でした。突如現れた謎のおじさん(自称・子猫)の助けもあり、ホノは公差解析の誤解を正すことができたのでした。

惑星OPTとは何か

詳しくは連載第1回「公差解析の方法を学んだことがありますか?」をご覧ください。



秋葉原(アキバ)といえば?

【2010年3月△日 15時ごろ】秋葉原の某ドーナツショップにて


ふー……やっぱ甘いモノを食べると心が晴れ渡るねぇ〜


……。燃料切れになると挙動不審になるだけのクセに


まぁまぁ、このドーナツというのは、なかなかおいしいからいいじゃない。ところでナオ、これからはまた企業巡りをするの? それとも自分たちで研究のおまとめ? なんかさー、いままで見てきたシグメ製作所や才羽工業でも、効果的な公差の解析って行われてないって分かったでしょ? 正直なトコロ、先行きがちょっと不安になってきた気がしないでもないんだけど


どーなんだろー……確かに『感覚的に、ちょっとキビしめにするようにしていた』とかいわれると『ええー、ウチらと同じじゃーん!』とか思っちゃうよね


ヘイ、ヤングたち! プロの感覚をバカにしちゃいけないYO! このドーナツのシナモンの掛け具合だって、ちゃんとプロの技が効いてるのYO!


おじさん、またきたの……


プロの感覚が大事なのはもちろん分かってるさ。でもリアルな設計は、感覚に頼って公差を決められるほどシンプルじゃないんだ……。そのまま製造に入ったら、必ずトラブルに見舞われる……。オレたちの故郷の星のように……うっうっう


ちょっとナオ!! 大丈夫!? そんな弱気なところ初めて見た。ひょっとしてホームシックだったりしてー!?


オッケー、ユーたち! 君たちを慰めるために、この“星の王子サマ”が、プロの熟練技がキラリと光る、星のお祭りに連れていってあげよう! ユーたち週末の予定は?


アハハ! 年取ってんのに、王子サマ?


星のお祭り? よく分かんないけど楽しそう! 私たちみんなヒマなはずよ! で、『プロの熟練の技が光る星のお祭り』って一体何?


ではヒントをあげちゃうYO♪


 星の王子サマ、というか、おじさんからのヒントは以下です。

  1. 引き算だけでなく足し算が必要
  2. バラツキと分散の考慮が大変重要

ほかのお友ダチも一緒に呼んじゃう?


じゃあ、デイちゃんやホノさんも呼んじゃおうかな


 ん? この問題、何だか昼間(前回)にした公差の勉強に似ているようにも見えますが。

ただ3月はねぇ、星のお祭りがとても少ない時期なのよYO。なので、ミーのマジックで、星のお祭りがイッパイある時期にビューンと飛んでっちゃうからね


星のお祭り?

 週末、秋葉原駅に集合したOPT仲間たちは、おじさんにいざなわれ、電気街の外れの廃ビルにやってきました。その一室にあったのは、アズーたちが惑星OPTから乗ってきた宇宙船によく似たマシーン。これに乗って出掛けるとおじさんはいうのです。

どうしたの、このマシーン。なんでおじさんが持ってるの?


それは、星の王子サマだからデース


は?


 マシンの出どころについて聞かれると、おじさんは、自分は星の王子だとかマジックだとか訳の分からないことをいうか、もしくは貝のように口を閉ざしてしまうのです……。真相を聞くのは諦めて、一行は2010年の8月の東京に旅立ちました。

【2010年8月☆日 20時ごろ】東京湾岸


東京Wan花火大会にやってきた!

スッゴーイ! スッゴーイ! こんなん初めて見たわ! きれ〜い♪


アズーちゃん。日本人はね、こういうとき『たまやー』というのさ


僕も、花火大会は以前に来たことがあったけど、久しぶりだよ


で、『1.引き算だけでなく足し算が必要』って?


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