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どこが変わった? 刷新されたWES7のツール【前編】Windows Embedded Standard 7概論(2)(1/2 ページ)

Windows Embedded Standard 7で刷新されたツールの概要について、従来バージョンとの違いを交えながら解説する

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 前回「ついに登場! Windows Embedded Standard 7」では、「Windows Embedded Standard 7(以下、WES7)」の概要について紹介しました。

 次に紹介するのは、WES7で刷新されたツールです。

 今回と次回でツールの概要について、前バージョンである「Windows Embedded Standard 2009(以下、WES2009)」との違いを交えながら詳しく解説していきます。


WES7(試用版)の入手方法

 はじめに、WES7(本稿では試用版を利用)の入手方法について簡単に紹介します。

 WES7の試用版は、マイクロソフトのサイト「Windows Embedded Standard 7の概要」からダウンロード可能です。このサイトにアクセスし、ページ右側にある「Windows Embedded Standard 7 試用版を今すぐダウンロード」のリンクから試用版を入手してください(注1)。

※注1:Windows Embedded Standard 7 試用版をダウンロードするには、Windows Live IDが必要です。

 ダウンロードサイトから、すべての分割ファイルをダウンロードして結合すると、以下3つのDVD用.ISOファイル形式イメージになります。これをお手持ちのDVD-ROMに書き込んでください。

  • WES7 Toolkitのインストーラ
  • WES7 32bit CPU用 Bootable IBW Runtime image
  • WES7 64bit CPU用 Bootable IBW Runtime image

Toolkitのインストール

 WES7 ToolkitのインストールDVD-ROMを開発用PCのDVDドライブに入れて、「Setup.exe」を実行するとToolkitのインストールが開始されます(図1)。ウィザードに従って、インストールを行ってください。

Toolkitのセットアップ開始画面
図1 Toolkitのセットアップ開始画面

 64bit CPUに対応したWES7のOSイメージを作成する場合は、インストールの[Choose Setup Type]で、設定を「Complete」にしてください。インストール途中に図2のような画面が表示されます。ToolkitのインストールDVD-ROMを取り出し、続いてWES7 64bit CPU用 Bootable IBW imageが入ったDVD-ROMを挿入し、[OK]ボタンをクリックしてインストールを継続してください。

セットアップ中のメッセージ
図2 セットアップ中のメッセージ

 インストールが完了すると、スタートメニューに[Windows Embedded Standard 7]という項目が追加されます(図3)。

インストール後のスタートメニュー
図3 インストール後のスタートメニュー

パッケージとは?

 WES7では、OSのさまざまな機能やユーティリティを「パッケージ」という単位で管理しています。パッケージには以下のような種類があります(表1)。

種類 概要
Windows Embedded Core(eCore) ブートに必要な機能やドライバ、アップデート機能など、OSに最低限必要な機能をまとめたパッケージ。WES7のOSイメージには必ず含まれます
Feature Pack Internet ExplorerやWindows Media Playerといったアプリケーションやファイルシステム、フォントといったさまざまなOS機能を追加するパッケージ
Embedded Enabling Feature(EEF) Feature Packに含まれるパッケージで、組み込み機器向けの機能を提供するパッケージ。ファイル書き込み中の電源断などでのHDD内のデータ破損を回避するWrite Filterといった機能があります。WES7から新しく追加された機能として、特定のメッセージやアプリケーションを表示させないようにするDialog Filterがあります
Language Pack 言語リソースパッケージ。ユーティリティのUI用文字列といったリソースが格納されています。各パッケージは、言語依存するリソースを分離し、Language Packを変えるだけで表示が各国語対応できるようになっています。現在、10カ国語のLanguage Packが提供されています
Driver Pack デバイスドライバのパッケージ。500種類のデバイスドライバが提供されています
表1 Windows Embedded Standard 7のパッケージ

パッケージの管理方法 − WES2009との違い −

 WES2009では、「コンポーネント」という単位でOSの機能を管理していました。WES7のパッケージは、コンポーネントより管理の粒度が大きく、複数のコンポーネントを一まとめにしたイメージです。

 WES2009では、1万を超えるコンポーネントが提供されていたため、コンポーネントの選定には時間を要しました。また、WES2009ではコンポーネントをデータベースで管理するため、「SQL Server 2005 Express Edition」といったデータベース用ソフトウェアを併せてインストールする必要がありました。

 WES7のToolkitでは、データベースでの管理は廃止され、「Distribution Share」というフォルダで管理されています。Toolkitをインストールすると、デフォルトのDistribution Shareがインストールフォルダに作成されます(注2)(図4)。

  • DS:x86系CPU用のDistribution Shareフォルダ
  • DS64:x64系CPU用のDistribution Shareフォルダ
※注2:インストール時の[Choose Setup Type]の設定によっては、フォルダ「DS64」が作成されない場合もあります。


Distribution Share
図4 Distribution Share

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