クラウド活用が製造業のグローバル競争力を強化する:先取り突撃! DMS2010
2010年6月23〜25日の3日間、東京ビッグサイトで「第21回 設計・製造ソリューション展」が開催される。開催に先立ち、@IT MONOist編集部では、出展を予定しているマイクロソフトに展示の見どころを聞いた。
Windows Azure&SharePoint Server 2010で、開発・生産・販売といった業務における情報の扱いはどう変わる? 今年のDMS展ではマイクロソフトが、同社製品の製造業での活用についてデモンストレーションを交えたブース出展を行う。同社が展示会で製造業にたずさわる来場者に伝えたいメッセージとは何だろうか。@IT MONOistではマイクロソフトの出展担当者から話を聞いた。
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タッチパネルの利点をフル活用した“業務課題解決策サーチ”
同社ブースでは自身の手で課題解決の方法を探るデモツールが用意されているという。
「マイクロソフトのブースでは、下記3つの企業戦略における業務課題解決策を、Windows 7のタッチインターフェイスを体感しながら、来場者さまご自身で発見することが可能となっています。ぜひ、この“業務課題解決策サーチ”を体感していただきたいと思います」(担当者)
タッチインターフェイスの魅力は、そこにキーボードやマウスといったコンピュータ操作に必須と思われてきたデバイスが必要ないところにある。つまむ、めくる、広げる……など、日常生活で自然に行う行動と変わらない操作でコンピュータ上の情報を扱える。
実際にどのようなメリットを生むかというと、例えば、コンピュータ操作に苦手意識がある現場作業者に対して情報端末の操作を定着させようとしても難しい。生産工程改善担当者が効率化を目指して計画を立てても、実際の入力者に操作方法が定着しなければ「絵に描いた餅」になってしまうことだろう。あるいは、経営者が経営ダッシュボードを通して、的確な意思決定を迅速に行う上で、煩雑な操作性を求めることは難しい。
タッチインターフェイスによる直観的操作が可能になれば、こうした問題から解放される可能性がある。インターフェイス1つで、生産性向上の取り組みの定着率は大きく変わるかもしれない。ぜひ、タッチインターフェイス操作の利便性を体感していただきたい。
「製造業に対するアプローチとしてマイクロソフトが目指すものは、人々のポテンシャルを最大限に引き出すということです。使いやすい操作性や慣れ親しんだユーザーインターフェイスを有効に利用しながら、定型、非定型にかかわらず情報を活用して日常的な業務をさらに円滑に行えるようになることが望ましいと考えています」(担当者)
同社のブース出展テーマは以下の3つだ。それぞれについて、同社Webサイト内で紹介が行われているので、こちらも参照いただきたい。
5つのキーとなるマイクロソフトプラットフォーム
さて、上記3つのテーマを具体的に実現するのが、以下の1〜5の製品だ。
Windows Azure マイクロソフトが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称。Windows Azure(クラウドOS)、SQL Azure(リレーショナルデータベースサービス)、AppFabric(サービスバス・アクセスコントロール)といったコンポーネントが含まれる
SharePoint Server 2010 “情報の洪水”から価値ある情報を素早く見つけ出し、考え、対話し、意思決定するための情報活用プラットフォーム
FAST Search Server 2010 企業内外に散在する膨大な情報を収集、整備、分類し、全方位的な情報集約を実現するエンタープライズサーチ
SQL Server 2008 R2 高い信頼性と拡張性を備えたデータ管理基盤に、開発者や運用管理者向けのツール、そして企業のデータ活用を促進するBIを統合したデータプラットフォーム
Dynamics CRM マーケティング、SFA、サービス/コールセンターなど幅広い分野で活用できる統合型CRMアプリケーション
ドキュメント管理や企業内外での情報流通をサポートするSharePoint Server 2010とあらゆるデータから必要な情報を見つけ出すエンタープライズサーチ製品であるFAST Search Server 2010、コンプライアンス対応やBI機能が強化されたSQL Server 2008 R2、さらにこれらサーバ製品群によるアプリケーションをクラウド環境下に移行するプラットフォームとしてのWindows Azureだ。
あらゆる機能ネットワークを結合してビジネスの全体最適を図る
クラウド環境でのシステム運用が製造業のシステムに何をもたらすか。ただ運用コスト/リスクを外部化できるというだけではない。グローバル製造・販売を考慮したシステム運用、海外進出の際のM&Aや合弁、子会社設立などといった、グループ全体のダイナミックな活動に追随したシステム構築に適したシステムとなっている。
「次世代の製造業において企業競争力を高めるためには、エンジニアリングチェーンの促進、サプライチェーンの最適化、デマンドチェーンの効率的な運用、そしてそれらネットワークをいかに結合するかといったことを考慮する必要があります」(担当者)
あらゆるデバイスから統一したサービスを提供する
マイクロソフトの強みの1つは、さまざまな端末からのアクセスが容易であること、各デバイスに対して統一したサービスを提供できることだ。
「マイクロソフトのクラウド戦略は、『スリースクリーン&クラウド』、すなわち、PC、携帯電話・モバイルフォン、そしてTVなどの多様なデバイスを、サーバやサービスなどでシームレスに接続し、統一したエクスペリエンスを提供するという考え方です。そして、オンプレミス(内部設置)とクラウドを最適なバランスで組み合わせたハイブリッドなアプローチが重要になるとわれわれは考えています」(担当者)
さまざまな業務アプリケーションがWindows Azureを活用したクラウド上で稼働すれば、端末それぞれの特性を生かしたソリューションを提供できる。例えば、オペレーション担当者はデスクトップから、社外業務中心の担当者はモバイル機器やスマートフォン、ラインからはタッチパネル端末からの操作といったように、さまざなま端末から、社外/社内について考慮せずに同じ情報に安全にアクセスできる。
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SQL Server 2008は、ポリシーベースでの管理機構が強化されたり、透過的データ暗号化など、コンプライアンス対応が強化されているだけでなく、大量のデータを対象とした処理や多次元解析などの複雑な数値分析に長けており、Office製品と親和性の高いグラフィカルなレポート機能などを備えている。複雑な生産管理関連データの可視化や帳票出力も得意とするところだ。また、クラウド製品群を含むサーバOSからデスクトップOS、モバイル向けOS、組み込み機器向けOSまで幅広い製品ファミリを統合的に扱えるフレームワークを提供していることも同社の強みの1つといえるだろう。
これらの機能とSharePoint Serverによるコミュニケーションツール、FAST Search Server 2010のドキュメント検索システムを活用すれば、社内の情報流通やその記録が集約でき、社内ナレッジも有効に利用できる。なお、PLMソリューションベンダであるPTCの「Windchill Web Parts for SharePoint」や、「Windchill ProductPoint」はSharePoint Serverの機能を同社製品に取り込んでおり、設計・開発の現場での情報管理・共有にも活用されている。
これらと、Windows Azureを組み合わせれば、モノづくりシステムインフラがダイナミックなビジネス活動に同期したものになるかもしれない。同社の製造業向け製品群のアプローチがどのようなものであるかは、ぜひ同社ブースで、手で触れて確認していただきたい。
展示会名 | 第21回 設計・製造ソリューション展(DMS2010) |
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開催日 | 2010年6月23日(水)から25日(金) |
会場 | 東京ビッグサイト |
ブース番号 | 東1ホール 15−8 |
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