EV/HEVが“主役”に、充電器や試験装置も登場:第2回カーエレ展/第1回EV・HEV展(2/3 ページ)
第2回目を迎えた『国際カーエレクトロニクス技術展』が、2010年1月20日から22日まで東京ビッグサイトで開催された。今回は『EV・HEV駆動システム技術展』が併催となり、EV/HEVの勢いが強く感じられるものとなった。本リポートでは、両展示会で特に目を引いた展示を紹介する。
車載2次電池の試験機が登場
2次電池や電気2重層キャパシタ(EDLC)など、蓄電デバイスに関する展示も注目を集めた。
新神戸電機は、アイドリングストップシステムに対応する鉛電池を展示した(写真5)。アイドリングストップシステムを搭載する車両の鉛電池には、高い負荷の放電に耐える長寿命性能と、従来よりも高速の充電が可能な高い入力性能が要求される。同社の鉛電池は高密度の活物質を採用したことにより、従来品と比べて、サイクル寿命を3倍以上に延ばした。また、新たな負極添加材を採用したことで、入力性能を従来品比で1.5倍以上に引き上げた。
ニチコンは、同社のEDLC「EVerCAP」を展示した(写真6)。同EDLCは「京都電気自動車プロジェクト」によって開発された「Kyoto-Car」に採用されている。Kyoto-Carは、電気2重層キャパシタとLi電池を組み合わせたものを蓄電デバイスとして採用したEVである。同EVに採用されたEVerCAPは、高出力を特徴とする「JLシリーズ」の品種で、定格電圧が2.5V、定格静電容量は1640Fとなっている。
ルビコンは、同社のEDLC「DMBシリーズ」を採用した東信電気のドライブレコーダ「CPiReシリーズ」を展示した(写真7)。通常、ドライブレコーダは、自動車の直流電源から得た電力によって動作させる。CPiReシリーズでは、事故など何らかの事情で自動車本体から電力を得られなくなったときの予備電力源としてEDLCが採用された。
ニッケテクノシステムは、車載Li電池の充放電試験に用いる「EV/HEV用Li-ionバッテリー回生充放電電源ユニット」を展示した(写真8)。同社によれば、「従来のLi電池の充放電試験装置は、電池から放電する際の電力は熱に変換して捨てる方式が主流だった。これに対して当社の電源ユニットは、無駄になっていた放電時の電力を回生して建物内の電源系統などで再利用することが可能だ」という。
横河電機は、2次電池の充放電制御とインピーダンス特性の測定を行うシステムを展示した(写真9)。同システムの最大の特徴は、放電時のインピーダンス測定において、複数の周波数信号を与えて一括で測定を行い、FFT(高速フーリエ変換)により各周波数の測定結果として分割する「マルチサイン計測」の機能を備えていることである。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.