設計と実装がシンクロして見えた奥深きETロボコンの世界:ETロボコン2009、挑戦記(6)(1/3 ページ)
ETロボコン2009の東京地区大会が開催。モデル/競技部門での2冠達成チームが現れるなど、大きな盛り上がりを見せていました。
過去最多357チームが参加しているETロボコン2009。そのうち88チームがエントリーする東京地区は、全国7地区(北海道/東北、北関東、東京、南関東、東海、関西、九州)の中でも最大規模を誇ります。9月5〜6日の2日間、工学院大学で開催された地区大会では、昨年度から取り入れられた総合審査方式(設計と走行結果の調和平均で順位を決定する方式)のまさに模範となるモデル/競技部門での2冠達成チームが現れるなど、大きな盛り上がりを見せました。
今年は新走行体「NXT」が登場したことで、各チームどのような戦略を立ててくるかに注目が集まっていましたが、会場に貼り出されていたモデル(設計図)を見ると、難所に入る前の切り替え(検知)部分だけに注目しても「マーカー(灰色)検知」「距離検知」「タイマー(時間)制御」さらには「GPS機能(コース全体をマップとしてとらえ、x軸y軸から現在地を判断)」など、さまざまな手法がありました。
もちろん、昨年度から引き続き使用されているもう1つの走行体「RCX」も負けていません。細部までしっかりと記述されたモデルとともに、競技部門ではスムーズな難所攻略、そして(NXTのほぼ倍となる)スピードで難なく完走するなど、会場を大いに盛り上げていました。
競技部門全体を通しては、やはりチャンピオンシップ(全国)大会への切符が掛かっているということもあってか、(モデルでは難所攻略法が詳細に記載されているものの)あえて難所を避けた安全走行に切り替えるチームが多く見受けられました。
以下、東京地区大会の結果を紹介します(2日間ともNXT参加は総合上位4チーム、RCX参加は総合上位1チームが11月のチャンピオンシップ大会へ出場できます。すべてのチームの結果はETロボコン2009 東京地区公式ホームページをご覧ください)。
大会終了後に述べられた総評では「基本的には昨年とほぼ同じ傾向で、全体の底上げが感じられた」(東京地区審査委員 門倉 利幸氏)。という喜びと同時に、「モデルではユースケース記述の不足、表記不正が目立っていた」(同氏)という指摘もありました。
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