テクノフロンティアで見た CAEの最新動向:メカ設計 イベントレポート(10)(2/2 ページ)
電子機器・産業機械の専門技術展「テクノフロンティア2009」 に展示された解析ソフトウェアの機能や新製品情報を紹介する
設計者に使ってもらいたい――ANSYS
アンシス(ANSYS)は2008年3月31日にアンソフト(Ansoft)を買収した。現在は、同社製品にアンソフトの技術を具体的にどう取り込んでいくか検討している段階だという。具体的には、従来のアンソフトが強みとしてきた電磁場解析関連の機能の強化となるだろうとのことだ。
同社の連成解析ソフトウェア「ANSYS Multiphysics」では、構造、電熱、流体などさまざまなワークベンチを管理することができる。最新版では、インターフェイスの一部をGUI化した。同社がターゲットとする設計者に、より使いやすいものを提供していきたいという。解析のプロセスがアイコン付きでリスト化されており、それぞれの項目をクリックすると、対応するワークベンチが立ち上がる。その作業が終了するとチェックが入るようになっている。従来はCUIベースで管理するのみだった。
7月初頭には同社の冷却設計向解析ソフトウェア「ANSYS Icepak 12」を発表する予定だという。現時点の最新版は「4.4.8」。突然「12」となるので注意したい。
ガーバーデータが取り込み可能――ソフトウェアクレイドル
ソフトウェアクレイドル(Software Cradle)は2009年5月31日にリリース予定の流体解析ソフトウェア「STREAM 8」の新機能を紹介した。
STREAM 8では、モデルにメッシュを切る前に、基板設計のガーバーデータ(RS-274D)を直接解析モデルに取り込んでおくことが可能だという。ガーバーデータは「パネル」(厚みを持たないモデルデータ)として扱われる。
また「マルチブロック機能」では、ユーザー任意の局所でメッシュの粗さを調整することができる。従来製品ではモデルの頂点などに対してしか指定ができなかった。
ファンの斜め配置にも対応するという。
次期バージョンではブロア解析を強化――シーディーアダプコジャパン
シーディーアダプコジャパンが展示した熱解析ソフトウェア「FloTHERM 8.1」は、基板の配線パターンを画像で基板モデルの各層に取り込むことができる。ユーザーが求める計算精度などに応じて、取り込んだ画像にモザイクを掛けてあらすことができる。基板の層厚はミクロン単位で管理できるという。
新製品の8.2も今夏に発売予定だという。ブロア解析の強化やGUIの改善を行う。
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