プリント基板CADで“マイ”マイコンボードを作ろう!!:イチから作って丸ごと学ぶ! H8マイコン道(1)(2/3 ページ)
イチから作って丸ごと学ぶをモットーに、プリント基板CADによるボード製作からマイコン制御プログラミングまでを丸ごと解説。
――二三夫さんがいう“USBで動くマイコン”とは一体どんなものなのでしょうか?
それでは、本連載で製作する(健一君が製作する)マイコンボード「H8Tiny-USB」について見ていきましょう(画像3)。
H8Tiny-USBは、USBケーブルでパソコンと接続でき、パソコンで作ったプログラムをマイコンに転送して実行することが可能です。また、USBから電源を供給してマイコンと周辺回路を動作させることができます。つまり、パソコンとH8Tiny-USBだけで(ほかにUSBケーブルも必要ですが)、イチからマイコンの使い方を学ぶことができるのです。
本連載では、まず専用のプリント基板を設計してから、H8Tiny-USBを製作していきます。そして、完成したH8Tiny-USBを使って、GCC(GNU Compiler Collection)によるH8マイコンの制御プログラミングを解説していきます。
図3にH8Tiny-USBの構成を示します。
H8Tiny-USBの心臓部は、秋月電子通商で販売されている「AKI-H8/3664タイニーマイコン」(画像4)です(比較的安価に入手できるマイコンボードなので、筆者も便利に使っています)。
AKI-H8/3664タイニーマイコンには、ルネサス テクノロジのマイコン「H8/3664F」と、アナログ・デバイセズのRS-232ドライバIC「ADM3202」が搭載されているため、パソコンで作ったプログラムをマイコンのフラッシュROMに書き込んですぐに実行できます。
しかし、現在販売されている大多数のノートパソコンには、シリアルポートがありません。一般的には「USB−シリアル変換ケーブル」などを用いて、パソコンとマイコンボードを接続しますが、今回製作するH8Tiny-USBはその機能をボード上に載せてあります。もう一度、図3を見てください。「FT232RL」は、USBをシリアル・インターフェイスへと変換するICで、比較的少ない部品で回路を構成できます。FT232RLの出力はマイコン信号レベルなので、「ADM3202」でRS-232レベルへと変換し、AKI-H8/3664タイニーマイコンのシリアル入出力端子につないでいます。
図4にH8Tiny-USBの回路図を示します。
プリント基板CADをインストールしよう
ところで健一君、今日はノートパソコンを持ってきているかい?
当然、いつも持ち歩いてますよ。
ボクだって理系男子のはしくれですからね(本当は最近買ったばかりなんだけど……)。
おうそうか、それなら話が早い。
早速、CADソフトをインストールしようじゃないか!!
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