展示ブースで見た! メカ設計のミライ形:メカ設計 イベントレポート(8)(2/2 ページ)
画面タッチで操作ができる3次元モデルビューアや、3次元CADと連動したコミュニケーションツールなど、ちょっと便利な近未来技術を紹介する
設計中に、いちいちメーラーを開かなくて済む
「この設計変更、誰の指示でやったの?」。そう、突然聞かれたとする。3次元CADの画面を最小化し、電子メーラーを開く。開いてからも、「いつのだっけ?」「誰からだっけ?」と受信箱をいちいち確認していく。忙しいときほど、こんな作業は面倒だ。
ヴーチ(Vuuch)が、この問題を解決しようと取り組んでいる。このブースで紹介されていたのは、3次元CADのモデル中に、連絡履歴をリンクしておくことができるシステム「Vuuch」だ。対応する3次元CADはSolidWorksとPTCの「Pro/ENGINEER Wildfire」。同社のホームページより、Vuuchのベータ版(無料)のダウンロード申請が可能だ。
システムの中で立ち上がる連絡ツールは通常の電子メーラーと似ている。これは3次元CAD上で立ち上がるようになっている。3次元モデルがリンクされたメールフォーマットが出てくるようになっていて、連絡本文の上にあて先を書く欄もある。あて先は、あらかじめ登録しておくアドレス帳から選ぶことができる。もちろん返信も可能だ。ここでやりとりされていくメールは、SolidWorks上のモデルにリンクされる。
制御の実機評価が3次元CADの身近に
ナショナルインスツルメンツ(NI)はロボット制御と3次元CADを連動するシステムのデモを行った。同システムは同社の「LabVIEW」を基盤にしていて、SolidWorks側からロボットなどの実機のコントロールが可能となるという。同システムは2009年夏に発売開始予定だという。
3次元CAD上で制御プログラムが動いているため、実機の動作で、部品干渉などの問題を見つけたとき、直ちに3次元CADのモデルを修正することができる。
制御プログラムの詳しい知識がないエンジニアでも操作ができるようになっているという。制御コントロールのGUIは、ボタンを切り貼りするように作成できるような仕様になっている。評価結果も、グラフやメーターを表示することで、理解しやすくしている。
ハイエンド3次元CADで、例えば3次元CADとPLC、産業ロボットを連動させるような、同様のシステムは存在した。しかしSolidWorksから実機への直接的なアプローチはこれまでなかったとのことだ。
フルカラーのハンディスキャン
Zコーポレーションは、3次元ハンディスキャナー「ZScanner 700 PX」「ZScanner 700 CX」を本イベント会場の展示にて公開した。販売は2月9日からすでに開始している。これらは、従来からあった3次元スキャナーにはない機能を備えている。
ZScanner 700 PXは、飛行機や車両の部品など大型の対象物をスキャンできるようにした製品だ。従来製品と比較し、8倍までスキャン精度を高めたという。
ZScanner 700 CXはフルカラー対応の3次元ハンディスキャナー。3次元ハンディスキャナーでフルカラーのものは世界初だと同社はいう。またメッシュとは別データで、テクスチャを取り込むことができ、グラフィックソフトウェアで編集することもできる。分解能も自由にコントロールが可能だという。
これらのスキャナーは同社のフルカラー3次元プリンターとも連動可能だ。価格はZScanner 700 PXが1298万円、ZScanner 700 CXが748万円とのことだ。
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