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車のロボット化を図る、技術者育成ソリューション設計面でPTCのPro/ENGINEERを活用

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 人型ロボット「nuvo」や自律移動型音楽プレーヤー「miuro」の開発で知られるゼットエムピー(ZMP)とPTCは2008年12月16日、首都大学東京システムデザイン学科の山口 亨教授とゼットエムピーが共同で進めている、ロボット技術を応用したカーロボティクス・プラットフォームの開発に関する説明会を開催した。

 ロボットと車を近づける“車のロボット化”を目指し、人と車の関係を、人とロボットのような関係に近づける(ヒューマトロニクス)アプリケーションを開発し、機械設計、制御システム設計、認識(画像認識・音声信号処理)、ヒューマンマシンインタラクション、ソフトウェア、組み込みシステム、電子回路、アクチュエータといった8つの工学分野をカバーした教育ツールを提供するという。

 具体的には、一般的な自動車の10分の1スケールの車体をプラットフォームとし、その車体に自律移動ロボット技術を搭載。大学、高専、工業高校での教育教材、もしくは、同プラットフォームで得られた自律移動、車間通信などのデータを産業界での初期研究材料として、教育・研究、両面での活用が期待される。1プラットフォームの価格は50万円。

 車体には、CCDカメラを始め、加速度センサー、赤外線距離ユニット、CPUボード、ジャイロセンサなどを搭載。開発ツールには、サイバネットのMATLAB/Simulinkを採用した。産業界で広く使用されている設計支援ツールを活用することで、標準的な技術習得に役立てたいとしている。


画像1 カーロボティクス・プラットフォームのイメージ:Pro/ENGINEERのCAD画像を使用。

 車体の設計では、ゼットエムピーの技術パートナーであるPTCの3次元設計支援ツール「Pro/ENGINEER」を活用。開発者からは「構想設計の場面で、設計者のアイデアを十分に生かした設計を行うことができ、そのほか図面設計、解析など、製品開発のライフサイクル全体で満足のいく作業ができた。ツール自体も非常に使いやすい」という評価を得ているという。

 ゼットエムピー代表取締役社長の谷口 恒氏は、「今回発表したプラットフォームは、街中で人や障害物を回避する群制御、CCDカメラを利用した画像処理、そして人とロボット(車)のコミュニケーション、といった、市場ニーズの高い技術を、低コスト、省スペースで実現できる。また、ロボットと車という分かりやすい題材を用いたことで、学生のモチベーションを保ちながら、実践的な教育もできる。プラットフォームとPCがあれば実習を行えるといった経済的メリットもある。企業では、さまざまな技術分野の担当者間で協力してプロジェクトを進められるといったチームビルディング効果も期待できる」と、教育機関、企業での導入メリットの大きさをアピールした。


02.jpg,,画像2 ゼットエムピー 谷口社長と首都大学 山口教授:山口教授は財団法人自動車技術会エレクトロニクス部会の幹事兼ヒューマトロニクスの専門家でもある。

 カーロボティクス・プラットフォームは2009年4月より出荷開始する。受注は本日より電話または電子メールで可能とのこと。今後も山口教授とともに、市場ニーズを意識したアプリケーションの構築を進めていくという。

 谷口氏は、「環境問題の題材となるよう電流値モニターを設け、車両構成、積載量、群制御によるエネルギー消費の研究、教育などへ対応していくとともに、燃料電池など新技術の投入も検討している」と述べた。

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