図研は2008年6月25日、同社のグループ会社CIM-TEAM GmbH(本社ドイツ)のケーブリング設計ツール「E3.series(イースリー・シリーズ)」の販売を開始した。
E3.seriesは5月25日から28日まで東京ビッグサイトにて開催されている「第19回 設計・製造ソリューション展(以下、DMS展)」の図研ブースにて出展される。
製造業におけるケーブリング設計は、一般的に設計工程の中で後半の位置を占める。そのため、ケーブルの引き回しなどの変更が出た際には前工程から設計を考慮した変更を行わなくてはならない手戻り作業が発生する。
E3.seriesではすべての設計を同一のデータベースでプロジェクト化して共有することで各設計工程がシームレスに連携し、手戻り作業が生じても効率的に作業を進められるという。
また、これまで手動で行っていた電気や機械設計の情報を図面に落とし込むという作業を、信号の接続チェックやコネクタの勘合チェックを自動で行いながら、同時に半自動で図面を作成していく。
実作業の流れでは、まずコネクタ情報などを含む回路の中間ファイルを取り込む。通常はユニットと呼ばれている各基盤単位で図形を作成するが、E3.seriesでは基盤側の情報を自動で生成し、画面に表示する。
コネクタ情報は、ブロックという属性を持たせ読み込まれるため、接続作業はMicrosoft PowerPointなどと同様の画面操作で行うことが可能だ。3次元図面からケーブルを選択し、ドラッグ&ドロップで配線を割り当てる。
接続された情報は信号情報としてデータベースに保存され、再度同じような基盤情報が取り込まれた場合には、自動で基盤とコネクタの接続が行われる。
誤った接続が行われた場合には、回路側へ情報が戻り修正画面へと移る。ワイヤーのひもの太さや色がコネクタ間でうまく接続されない場合などにもエラーが表示される。
図面はブロックに付属しているため、編集作業はそれまでの情報と切り離さずに同一画面で行う。
部品などの情報はすべて1つの図面の中のデータベースとして木構造で管理され、ワイヤーを追加すればワイヤー1というように、図面上の唯一の情報として追加される。
このような電気の情報を基に、図面上でケーブル作成、接続の指示を出すことができ、工程間ですぐに連携をとることが可能だ。
また、E3.seriesは同社のメカニカル設計システム「CR5000」など、外部システムとのインターフェイスが装備されている。設計環境に合わせた自由なカスタマイズも可能という。
ユーザーからの要望としては電気的なシミュレーションに関するものが多いという。シミュレーションに関してはインターフェイスをオープンにしており、開発できるユーザーであればほかのツールとつなぐなど、シミュレーションを行うことも可能とのこと。
また、カスタマイズ性が高いというのも大きなメリットだという。電気CADとのインターフェイスも中間ファイルをとっており、さまざまな既存のCADとの連携している。
なお、E3.seriesは日本語、英語、ドイツ語をはじめ、10カ国語をサポートしている。ツールの言語表示のみならず、設計データをワールドワイドで共有する場合にも言語データベースにあらかじめ登録しておくことで、併記や環境に応じた表示に切替が可能とのこと。
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