AndroidはGoogleとウインドリバーの合作だった:組み込みLinux最新動向インタビュー 2007(2/2 ページ)
携帯電話向け組み込みLinux「アンドロイド(Android)」は、Googleとウインドリバーが共同で開発を進めているらしい
組み込みLinuxは、世界的に採用が拡大している
―― 日本における携帯電話用プラットフォームとして最近はSymbian OSの採用事例が増えているようですが、Androidの登場でLinuxのシェア拡大は可能だとお考えですか。
レロール 私たちの持っているデータによれば、携帯電話プラットフォームの世界的なシェアでは、Symbian OSよりもLinuxの方が伸びていますよ。来年になればLinuxを使ったいくつかのOEM製品が日本にも登場してきます。現段階ではどのベンダかを明かすことはできませんが、LiMoやOHAに対する日本の携帯電話ベンダの関心は非常に高く、リファレンスプラットフォームやデモ環境への問い合わせも多いです。基本的にすべての携帯電話ベンダはLinuxに興味を持っているといっていいでしょう。そのカギとなるのは、標準化です。LiMoやOHAに共通するのは業界標準を作り上げていこうとする目的意識です。
私たちは携帯電話を「ベーシック・フォン」「フィーチャー・フォン」「スマート・フォン」という3つのカテゴリとしてとらえていて、現在までのLinux採用事例はスマートフォン、つまりPCライクな使用を前提とした携帯電話に限られていました。今後のトレンドは、フィーチャー・フォン(リッチな機能を持つ携帯電話)と呼ばれるカテゴリにもLinuxプラットフォームが採用されていくということです。特にAndroidのUI(ユーザーインターフェイス)やアプリケーションフレームワークはとても洗練されていて、指先で画面をなぞるようなナビゲーションも可能です。
―― カーエレクトロニクスの分野で、今後のLinuxプラットフォームの動向をどのように予測していますか。
レロール 世界的に見て、明らかに「インフォテイメント」(注4)の分野でLinuxプラットフォームの採用が広がるでしょう。これは間違いありません。この分野では、顧客の要望が多様で非常に進化が速いです。これは開発者にとってデバイスが複雑化していくことを意味します。Webブラウジングとかビデオのリプレイ、GPSを使ったリアルタイムなナビゲーションなどです。自動車メーカーにとっても、ソフトウェアを開発するベンダにとっても、非常に大変な開発となってきています。そういった環境でアプリケーションを構築するには、特定のベンダが用意した専用OSよりも、標準化されたLinuxベースの方が開発しやすいとエンジニアが思っているからでしょう。欧米はもちろん、日本でもインフォテイメントに向けたLinuxのOEMベンダが存在しますし、日本の自動車メーカーでもこういったOEMのLinuxを採用する検討が進んでいますよ。
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