理論より実践! FPGA開発をスタートしよう:触って学ぼう FPGA開発入門(1)(1/3 ページ)
「どこから始めたらよいのか分からない」というFPGA開発入門者を対象に、低価格FPGAボードを使って実際に動かしながら解説
開発環境の準備
ツールを選定しよう
まずは、FPGA開発に必要なツールを選定します。FPGAメーカー各社から独自の開発ツールが提供されています。その中から筆者が選択したのは、ザイリンクスの「ISE WebPACK 8.2i」です。同ツールはアカウント登録さえ行えば、無償で利用できます。
ISE WebPACKは、ザイリンクスのサイトにある、「無償ダウンロード」からダウンロードできます。インストールの方法は、「WebInstall」と「シングル ファイル ダウンロード」の2種類があります。どちらでインストールしても構いません。また、インストールはデフォルトの設定で進めて特に問題ありません。
ちなみにサイト内の「無償 ISE WebPACK の登録およびダウンロード方法」に、ダウンロードに関する説明があるので参考にしてください。
ボードを選定しよう
続いて、今回使用するFPGAボードを選定します。本連載は入門者を対象にしているので、誰にでも気軽に始められるような「低価格」で「使いやすい」ボードを選択したいと思います。世の中には多くのFPGAボードが出回っていますが、その中で低価格と使いやすさを考慮すると「ヒューマンデータ XILINX対応FPGAトレーナ EDX-002」が最良だと筆者は考えます。同製品を選択した主な理由は以下のとおりです。
- 価格が1万4800円(税抜き)と安い
- USBで設計データをFPGAボードへダウンロードできる(パラレルポートのないノートPCでも利用可能)
- USBから電源供給できる
- 入出力が豊富にある(プッシュスイッチ×3、赤色LED×8、7セグメントLED×4)
EDX-002とPCを接続するには、EDX-002用のドライバをPCにインストールする必要があります。また、開発・生成したFPGA用のデータをEDX-002にダウンロードするには「BitCfg」というツールが必要となります。詳しくは、EDX-002に付属しているマニュアルを参考にインストールしてください。
これで、開発ツール(ISE WebPACK)と実装対象となるFPGAボード(EDX-002)の準備ができました。
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Verilog-HDLを記述しよう
開発を進める前に、回路設計に使用するハードウェア記述言語(HDL)を選定する必要があります。HDLには大きく分けて「Verilog-HDL」と「VHDL」がありますが、本連載では以下の理由からVerilog-HDLを採用することにします。
- Verilog-HDLの方が歴史が古い(日本での浸透度はアプリケーション分野により異なる)
- 記述量が少ない
- Verilog-HDLが主流である(筆者の独断と偏見)
ここでは、Verilog-HDLの文法や言語仕様などの細かな説明は避けて、まずは「動かす」ことを第一に進めていきます。
今回は、3つのプッシュスイッチ(以下スイッチ)を押して(入力)、8つの赤色LEDを点灯(出力)させる「3入力8出力のデコーダ」をサンプルとして開発してみましょう。
下記リスト1に「3入力8出力のデコーダ」のソースを示します。このソースをそのまま入力して「dec.v」というファイルを作成し、任意のフォルダに保存します(本連載では、C:\temp\IT_Media\Chapter1に保存しています)。
1 module DECODER(A,B,C,Y); 2 input A,B,C; 3 output [7:0] Y; 4 reg [7:0] Y; 5 6 always @(A or B or C) 7 begin 8 case({A,B,C}) 9 3'b000:Y=8'b00000001; 10 3'b001:Y=8'b00000010; 11 3'b010:Y=8'b00000100; 12 3'b011:Y=8'b00001000; 13 3'b100:Y=8'b00010000; 14 3'b101:Y=8'b00100000; 15 3'b110:Y=8'b01000000; 16 3'b111:Y=8'b10000000; 17 default:Y=8'bxxxxxxxx; 18 endcase 19 end 20 endmodule
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