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速報! Feature Pack 2007の新機能Windows XP Embedded開発入門(2)(3/3 ページ)

Feature Pack 2007により、Windows XP Embeddedは組み込み向けOSとしてさらに磨きが掛けられた

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OSフットプリントの削減

 XP EmbeddedのOSランタイムイメージを構築する際、依存関係のチェックでいつの間にかInternet ExplorerやOutlook Expressが組み込まれ、OSイメージのフットプリントが増大する場合があります。

 FP2007では各コンポーネントの依存関係が見直され、OSランタイムイメージのフットプリントが従来よりも削減されています。

 実際に、XP Embedded SP2とFP2007でOSランタイムイメージをビルドした際のイメージサイズを測定してみました。なお、XP Embedded SP2とFP2007は同一のハードウェア情報を利用しました。Basic STBは「Basic STBマクロコンポーネント」、Web Serverは「IIS Web Serverコンポーネント」などを組み込んだ場合、Information Applianceは「Information Applianceマクロコンポーネント」を使用した場合です。

XP Embedded SP2 FP2007
Basic STB 約180Mbytes 約140Mbytes
Web Server 約210Mbytes 約170Mbytes
Information Appliance 約290Mbytes 約260Mbytes

 上の表のとおり、XP Embedded SP2とFP2007では、OSランタイムイメージのフットプリントに約30〜40Mbytesの差が出ています。

 いままで、256Mbytesのストレージ(CFなど)にXP EmbeddedのOSランタイムイメージを組み込むのは難しいことでした。OSランタイムイメージ自体のフットプリントが230Mbytes程度に収まっても、残り領域が20Mbytesしかなければ最大限のパフォーマンスを得ることはできません。そのためにログファイルの作成を抑止したり、ファイル単位でコンポーネントからリソースを削除するなど、地道な作業が要求され開発コストが掛かることもあります。

 FP2007によってコンポーネントの依存関係が見直され、フットプリント縮小が実現されれば開発コスト削減が可能になります。また、ストレージ自体もより安価なものを採用できるようになります。

更新されたコンポーネント

 FP2007では、新機能の追加だけでなく既存コンポーネントの見直しも行われました。これにより、

  • 「Advanced Property」でしか設定できなかったコンポーネント
  • レジストリで設定していたコンポーネント
  • ほかのコンポーネントを組み込むことで新たな設定を追加していたコンポーネント

のための設定画面が新設され、コンポーネント設定の一元化が図られています。

 以下に、設定方法が改善されたコンポーネントを挙げます。

  • User Account、Administrator Account 
    ユーザー名とパスワード、グループの設定がAdvanced PropertyからDHTML設定ページへ移動
  • System Cloning Tool 
    fbreseal.exeのコマンドラインオプションが選択可能
  • Dr.Watson Debugger 
    ログファイルの出力先など、レジストリ変更でしか行えなかった設定が設定ページから可能に
  • Enhanced Write Filter 
    Background Disk Defragmentation Disableコンポーネントを組み込むことで実現していたバックグラウンドデフラグの停止、RAM Reg Mode、手動で行っていたHORM用resmany.datファイルの自動作成が設定ページで設定可能に
Background Disk Defragmentation、HORM、RAM Reg modeの設定が可能に
画面2 Background Disk Defragmentation、HORM、RAM Reg modeの設定が可能に
  • Message Box Default Reply 
    レジストリの追加で行っていた、Windowsシステムメッセージボックスのポップアップの抑止設定をコンポーネント化
MessageBox Popupの抑止、Log LevelやEventlogへの出力設定が可能に
画面3 MessageBox Popupの抑止、Log LevelやEventlogへの出力設定が可能に
  • Codepage Application Compatibility 
    各Language Supportで分散して保持していたコードページ情報を一元管理するマクロコンポーネントの追加
  • Fonts Application Compatibility 
    各Language Supportで分散して保持していたフォント情報を一元管理するマクロコンポーネントの追加


 次回は、XP Embedded開発におけるカスタムコンポーネントの作成方法と各種ツールを使うノウハウについて説明する予定です。(次回に続く)


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