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自律化が進む車載システム安全性をより高めるために(1/4 ページ)

車載システムの高度化/高機能化が加速している。新しい機能には、ドライバーの注意をそらして事故のリスクを高めてしまうことなく、付加価値だけを提供できるようにすることが求められる。

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 半導体市場調査会社の米IC Insights社によれば、自動車に使われる電子部品のコストは、2004年度で車両価格の23%を占める。この割合は2010年までには最大40%までに拡大するという。現在では、最先端の電子システムが機械システムの代わりを務め、より安く、より安全な車が提供されるようになった。その背景にあるのは、エアバッグやシートベルトなどの安全システムを管理する車載用電子部品が数多く登場したことだ。電気制御された安全システムは、車内の環境を自動的に調整/変更し、事故が起こったときにドライバーや同乗者がけがを負ったり死亡したりするリスクを最小限に抑えてくれる。

 最近の車は、新しい安全機能に加え、ドライバーを支援し、同乗者に情報や娯楽を提供する便利な機能も備えている。通常、自動車メーカーは、ドライバー用の支援/安全システムと、同乗者用の電子システムは分離する。本稿では、前者のドライバー向け電子システムに焦点を当てることにする。

図1 車載電装システムの例
図1 車載電装システムの例 ハイエンドの車両には、安全性を確保するための機能が数多く搭載されている。ミドルクラスの車両でも、約30の電気/電子システム、50〜100個のマイクロプロセッサ、100個以上のセンサーが組み込まれている(米Synopsys社提供)。

 ハイエンドの車両には、車両付近に存在する物体を検知する機能などの新しい安全機能が数多く搭載されている(図1)。そのうちの1つ、車間距離制御(ACC:adaptive cruise control)機能は、道路上における車両の位置、ほかの物体との距離、ほかの車両との相対速度などに基づいて、走行速度を自動的に調整する機能である。このほかにも、駐車を支援する機能や、物体、車両がドライバーの死角にあるときに警告を発する警報システムといったものがある。

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