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【Q&Aで解説】IoTの「つながらない」を解決するIIJマルチプロファイルSIM 2.0とは?コスト削減と安定通信を両立する次世代の選択肢

IoT市場が拡大する中、ルーラルエリアへの端末展開や端末台数の急増に伴う電波の輻輳(ふくそう)によって、「通信がつながらない」という課題が表面化しています。単一のキャリアでは一定割合の端末で接続問題が発生することもあり、IoTの安定した運用が求められています。1枚のSIMで複数キャリアへの直接接続を実現する「IIJマルチプロファイルSIM 2.0」の仕組みやメリットをQ&A形式で解説します。

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この記事の概要

  • IoT端末のルーラルエリア展開や急増による電波輻輳(ふくそう)で、「つながらない」課題が表面化しています。
  • ローミングを用いず国内2キャリアに直接接続することで、通信遅延とコストを最小限に抑制します。
  • デバイス側での柔軟な切り替え制御により、多様な現場での安定したIoTシステム運用を実現します。


 IoT(モノのインターネット)市場が着実に拡大を続ける中で、ルーラルエリアへの端末展開や端末台数の急増に伴う電波の輻輳により、「通信がつながらない」という課題が表面化しています。単一のキャリアでは5〜10%の端末で接続問題が発生することもあり、安定した運用が求められています。この課題を解決するため、インターネットイニシアティブ(IIJ)は、1枚のSIMで複数の通信キャリアを選択できるマルチキャリアサービス「IIJマルチプロファイルSIM 2.0」を開発し、2025年8月に技術発表を行いました。

 IIJの米盛博光氏(モバイルサービス事業本部 MVNO事業部 ビジネス開発部 フルMVNO推進課)と遠見洋一氏(モバイルサービス事業本部 MVNO事業部 ビジネス開発部 フルMVNO推進課長)の見解を基に、IIJマルチプロファイルSIM 2.0の仕組みやメリットをQ&A形式で解説します。

写真
IIJの米盛博光氏(左)と遠見洋一氏(右)

IoTデバイスにおける通信課題の原因

Q なぜIoTデバイスで「通信がつながらない」問題が多発しているのですか?

A IoT端末のルーラルエリアへの展開が進んだことや、端末台数の急増に伴う電波の輻輳が主な原因です。

 これまでの携帯電話網は、主に人が居住している地域を中心に整備されてきました。そのため、山間部などのルーラルエリアではそもそも電波が入らないケースがあると指摘されています。加えて、特定の地域で端末台数が急増したことによる電波の輻輳によって、つながりにくくなる事象も散見されています。IIJはユーザー企業から「単一キャリアのSIMだけで運用しようとすると、5〜10%くらいの端末で、つながらない問題が発生してしまう」という相談を受けている、と米盛氏は説明します。


従来のマルチキャリア対応との違い

Q IIJマルチプロファイルSIM 2.0が、これまでのマルチキャリア対応と違う点は何ですか?

A 海外キャリアのローミング回線を用いず、NTTドコモまたはKDDIのネットワークに直接接続することです。

 他社のマルチキャリアサービスでは、切り替え先に海外キャリアのローミング回線を使用する構成が多く採用されていました。しかしこの方式では、海外を経由することによる通信の遅延、閉域ネットワークを組みにくいこと、大容量通信が発生するケースでの通信コストの増加といった課題がありました。新たに開発されたIIJマルチプロファイルSIM 2.0は、IIJが運用する国内のMVNO設備と国内キャリアのネットワークのみで完結するため、遅延を最小限に抑えつつ、通信コストの抑制が可能です。


キャリア切り替えの制御と柔軟性

Q キャリア回線の切り替えはどのような仕組みで制御されるのですか?

A SIM内部で自動的に切り替えるのではなく、あえてIoTデバイス側で切り替え条件をカスタマイズできる設計思想を採用しています。

 用途によって、キャリアを切り替えたいトリガーは大きく異なります。1日数回しか通信しないセンサーや、リアルタイムで大容量通信する監視カメラといった機器ではエラー判定の条件が全く違うため、死活監視や電波強度の把握など、ユーザーの要件に応じた柔軟な対応が必要です。そのためIIJは切り替えプログラムを提供し、デバイス側への組み込みは顧客側で実施する形を取っています。なお、SIM1枚で国内2キャリアのプロファイルを任意に切り替えるこの技術は、IIJの独自仕様として特許を取得済みです。


大容量通信と広域展開におけるコストメリット

Q 大容量通信や広域展開において、どのようなコストメリットが得られますか?

A キャリアを切り替えても同一通信プランのデータ通信容量を共通利用でき、大容量通信においてもコストコントロールが容易になります。

 それぞれのキャリアごとに個別の通信プランを契約する必要がありません。いずれの通信プロファイルを使用した場合でもコストを抑制できるため、通信網障害に備えた冗長性の確保や、特定キャリアの電波が届かない場所での代替通信、さらには場所を移動しながら利用するケースなどにおいて柔軟に対応できます。


今後の現場活用への展望

Q IIJマルチプロファイルSIM 2.0は、今後どのような現場での活用が期待されていますか?

A 決済システムに加え、インフラ・官公庁分野、製造業の現場での活用が期待されており、将来的にはローカル5Gへの対応も視野に入っています。

 本技術は閉域ネットワークとの組み合わせに対応できるため、高い信頼性やセキュリティが求められるインフラ分野や官公庁分野での活用が期待されています。すでに通信の安定性がビジネスに直結する決済システムにおいては導入が決定しています。また、広い建屋内で単一キャリアでは十分なカバレッジが確保しにくい工場や倉庫といった製造業の現場でも有効とされています。さらに今後は、ローカル5GやsXGPとキャリア回線のハイブリッド構成をSIM1枚で実現することも構想されています。


コスト抑制と低遅延でIoT活用の裾野を広げる

 IIJマルチプロファイルSIM 2.0は、IoT導入における「通信がつながらない」という課題を、1枚のSIMカードで解決するソリューションです。ローミングに頼らない国内2キャリアへの直接接続によるコスト抑制と低遅延、デバイス側での柔軟な切り替え制御により、安定したIoTシステム運用を実現します。今後、閉域接続への対応やローカル5Gなどへの拡張を通じ、IoT活用の裾野をさらに広げていくことが期待されます。


提供:株式会社インターネットイニシアティブ
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2026年10月16日

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