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インダストリー4.0にはなぜ「スマートな品質検査」が必要なのか検査オートメーション

インダストリー4.0などICTを活用した自律工場の実現に大きな注目が集まっているが、実現に向けた盲点として取り残されそうになっているのが「検査の自動化」である。なぜスマートファクトリー実現のためには検査自動化が重要になるのか。全数検査を実現可能な3次元測定技術の価値を紹介する。

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スマート工場実現のカギは“品質検査”にアリ

 ドイツのインダストリー4.0をはじめとし、世界中の製造業の中で、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)を活用した製造革新への取り組みが活発化している。最も関心が高まっているのが、「マスカスタマイゼーション」の実現である。マスカスタマイゼーションとは、カスタム製品をマスプロダクション(大量生産)の効率で実現することだ。そのためには受発注などの情報や材料調達などの情報をもとに、製造現場の設備機械やロボットが自律的な判断をして、生産量の増減や生産ラインの組み換えなどを行える「自律的な工場」が必要となる。

 ただ、自律的な工場を実現するためには「作ったものが本当に設計通りのものであるのか」や「品質基準を満たしているのか」など、製造現場で巻き起こるさまざまな現象やその結果をデータとして取得し、それを逐次判断していく必要がある。データを取得するにはセンサーを付けるということもあるが、全ての設備のあらゆるものにセンサーを取り付けたり、小さな部品1つ1つにセンサーを取り付けたりするようなことは不可能である。そこで活躍が期待されているのが画像検査の存在だ。

 画像として、検査したい対象物や領域の情報を一括で取得することで、センサーを1つ1つ取り付けなくても、さまざまな情報をまとめて取得することが可能となる。自律化したスマートファクトリーの実現には、こうした画像から読み出したデータで、逐次検査を行うことで、機械の作業や動作、判断が正しいかを相互検証するような仕組みが必要になってくる。

 こうした中で工場での形状品質検査において、現在普及が広がり始めているのが、3次元測定機(3Dスキャナー)である。従来は2次元測定機がほとんどだったが機器が大掛かりになる他、検査対象物の配置や向きなどの問題で条件が限定されるため、利用が難しい場合も多かった。そのため、検査工程そのものを人手で行っている場合が多く、検査のオートメーション化は製造業の工程そのもののボトルネックになっていた。さらに、検査に時間がかかるために、詳細検査については「抜き取り」で行っている場合がほとんどで、トレーサビリティ(追跡可能性)の面からも課題を抱えていたといえる。

3次元測定技術が生産工程にもたらす価値

 こうした課題を解決するために真価を発揮しているのが3Dスキャナーである。2次元スキャナーは点の位置を2次元測定するもので、測定物に対し「点」の把握しかできなかった。一方で3次元スキャナーは同じように位置情報を持った点群の測定を行うものの、3次元で情報を把握できるため「面」の把握ができるようになる。そのため複雑な形状であったり、面としての品質感や素材感の評価などを行えるようになる。

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アメテック クレアフォーム事業部長の織田源太氏

 「Creaform」ブランドで携帯型3次元スキャナー市場をリードする、アメテック クレアフォーム事業部長の織田源太氏は「面での比較ができるため、視認しても直観的に理解できる他、設計で利用している3次元CADデータと自動的に比較して閾値を超えていればアラートを出すような使い方も可能だ」と述べている。

 ロボットアームに3次元スキャナーを持たせることで製品ラインに外観検査を組み込むことも可能である。これにより従来は人手で行っていた外観品質の検査がオートメーションで行え、作業効率を大幅に高められるため、全数検査が可能となる。織田氏は「製品が複雑化し1つ1つの製品に対する期待感なども高まる中、製品全数を工程内で検査したいというニーズは非常に強いものとなっている。こうしたニーズにも3次元スキャナーを活用することで応えていくことが可能だ」と語る。

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生産ラインで形状品質検査を行うイメージ。ロボットアームに3次元スキャナーを持たせ生産ラインに組み込む(クリックで拡大)出典:Creaform

振動環境などでも力を発揮するクレアフォームの3Dスキャナー

 さらに「クレアフォームの3Dスキャナーを活用すればより厳しい環境でも間違いない測定が可能となる」と織田氏は強調する。

 Creaformは2002年にカナダのケベック州で創業した3次元測定関連の企業で、2005年に初めて携帯型3Dスキャナーの販売を開始。その後、2013年に米国AMETEKに買収されその1部門となったが、携帯型3Dスキャナーでは世界をリードする存在である。織田氏は「製造工程内でも3Dスキャナーを使用するケースもあったが、従来よく使われていたラインスキャナーでは、ロボットアームとの腕の長さと対象物との関係によって正しくデータ取得できる対象物の条件が絞られているという状況だった。さらに振動などの影響も受ける。クレアフォームの3Dスキャナーは、こうした環境でも問題なく、メトトロジー・グレード(寸法検査レベル)の精度で3次元測定を行うことが可能だ」と述べる。

 同社の3Dスキャンはデュアルカメラセンサー「C-Track」という2つのカメラと照明を備えた機器で、測定エリアを規定。C-Trackの撮影エリアで、座標測定マシン「HandyPROBE」や3次元レーザースキャナー「MetraSCAN 3D」などの位置や向きなどの情報を認識させる。そして、C-Trackの測定エリア内で、HandyPROBEで取った座標位置やMetraSCAN 3Dで取った形状データなど取得することで、配置を正しく認識してデータ化するという仕組みになっている。そのため、周辺環境や設置しているロボットアームの状態などの影響を受けにくく「自動化環境」下でも、正しい測定が可能であるといえる。

 織田氏は「クレアフォームはもともと3次元測定サービスを行っており、誰でも簡単に使える3Dスキャナーへの要求があったことから自社で製品開発を行ったという経緯がある。そのため、製造現場に設置しても誰でも簡単に利用できるという強みもある」とさらに強みを述べる。

photophotophoto 「HandySCAN 3D」(左)、「HandyPROBE Next」(中央)、「MetraSCAN 3D」(右)(クリックで拡大)出典:Creaform

 全数検査による完全なトレーサビリティを実現するニーズはもちろんだが、スマートファクトリー化やIoTによる「つながる工場」化が進む中で、最終製品メーカーが、サプライヤー企業の工場に向け、ツールだけでなく、生産プロセス全体を評価するような動きも出てきつつある。新たなモノづくりの世界が開けていく中、3次元スキャナーによる検査が、必須ツールとなるのは間違いない。

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提供:CREAFORM(AMETEK グループ)
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2016年12月27日

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インダストリー4.0などIoTを活用したスマート工場を実現する土台の1つが品質検査など検査工程の自動化である。その検査自動化の中心技術の1つとして3次元測定技術があるが、革新的な3次元測定技術によりこの検査自動化領域で注目を集めている企業がある。

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