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インテルは川の流れのように、ホリゾンタルにIoTを加速させるIntel IoT Solution Conferenceリポート

IoTの可能性は多くの機会に語られているが、決して1社で完結するものではない。インテルが「広がりゆくIoTの可能性」と題した講演にて、IoTの導入事例とともに、同社のIoTへの取り組みについて紹介した。

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 IoT(Internet of Things)の可能性については多くの機会に語られているが、その実現に際して共通するのは、IoTが決して1社で完成する取り組みではないということだ。どのようなエッジデバイスやOS、クラウド、プラットフォームを選択することとなっても、IoTが実現するサービスや製品は非常に多岐に渡り、1社で全てをまかなうことは現実的ではない。そのために各社は団体を組織し、パートナーシップを強化し、「IoTの実現」を容易なものとするべく努力を続けている。

 インテルは2015年6月25日、「Intel IoT Solution Conference」を開催。「広がりゆくIoTの可能性」と題した講演で、同社エンベデット・セールス・グループ IoT パートナー・イネーブルメント ディレクターの佐藤有紀子氏が、IoT導入の事例とともに、同社のIoTへの取り組みについて紹介した。

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インテル エンベデット・セールス・グループ IoT パートナー・イネーブルメント ディレクター 佐藤有紀子氏

あと4年半で350億台のデバイスがネットに接続される

  同社は2013年末にIoTを推進する部門を設立、“プロセッサを販売する企業”としてだけではなく、サーバやPC、組み込み機器やネットワーク機器など、さまざまなコンピューティング機器へ同社のテクノロジを提供することで、あらゆるモノがインターネットでつながり(Internet of Things)、よりよい体験を提供すべく体制を整えている。

 “あらゆるモノがつながり、有機的ともいえる滑らかさで、シームレスにサービスが提供される”このようなビジョンは一昔前なら夢物語であったが、佐藤氏は過去10年間でセンサーの価格は1/2に、ネットワークの価格は1/40に、そしてプロセッサの価格も1/60まで低下し、さまざまなモノへコンピューティングとネットワークを提供できる環境が実現しつつあると述べる。

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センサー、ネットワーク、プロセッサの価格低下もあり、2020年には500億台の機器がネットワークに接続されると予想する。その際に、サーバには44ゼタバイトのデータが存在する見込みだ

 ただ整いつつあるとはいえ完全ではなく、2015年現在、導入されているシステムの85%はネットワークに接続されておらず、結果としてデータ共有やクラウド活用は進んでいない。それでもIDCの調査によれば2015年のIoT市場は220〜250億ドルあるとされており、既存システムのネットワーク化、IoTデバイスの増加により、この市場規模は爆発的に拡大することが予想される。

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現在は導入済みシステムの85%がネットワークに未接続であるが、2020年には500億台がネットにつながることになり、IoTの活用は急速に進むことになる

インテルはホリゾンタルな流れを加速させることができる

 その“IoTの基盤”を提供することで、インテルは爆発的な拡大が見込まれるIoTの市場へどのような価値を提供するか? 佐藤氏は「ホリゾンタル(水平)な流れを加速させることが、インテルの強みだ」と述べる。知られているとおり同社はIoTを取り巻くさまざまな領域で多くの知見を有しており、これらをあたかも川の流れのように、一貫した流れとして提供できる。

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さまざまな分野での知見を持つインテルならではの、ホリゾンタルな取り組みでIoTを加速させる

 佐藤氏は同社の携わったIoT導入の事例として、台湾のプラスチックメーカー「Formosa Plastics」が実現した生産におけるコストダウンやダウンタイムの軽減や、マレーシアのSIerである「Abbaco eControls」が提供した農業用水管理によるスマートアグリソリューションなどを挙げ、オープンかつ拡張性に優れた同社アーキテクチャによって、IoTの実装を容易なものとし、実ビジネスへ高い価値を提供することができたと述べる。

 同社は「インテル IoT プラットフォーム」として、エッジデバイスからゲートウェイ、クラウド、APIマネジメント、セキュリティソリューションなどIoTを構成する諸要素についてリファレンスを示すとともに、関連する各社と協力し、いわば“IoTの基盤”を提示することで、IoT導入を加速させようとしている。Formosa PlasticsとAbbaco controlsの導入事例はその好例といえるだろう。

 日本国内においては富士通とIoTプラットフォーム連携について合意しており、富士通研究所の分散サービス基盤とインテルのIoTゲートウェイによる包括的なIoTソリューションを共同で構築し、IoTを軸に新ビジネスを生み出したい顧客へ、より効果的なIoTソリューションの提供を目指していくとしている。

 もちろん、各社との協力を推進すると共に、自社製品の強化も継続して行う。IoTデバイスの増大でその存在感を増すことが予想される産業向けゲートウェイについてはWind Riverだけではなく、Linux(Ubuntu)やWindows OSに対応し、そしてよりハイパフォーマンスなCore iプロセッサ搭載製品も用意する。プロセッサについても2015年4月にAtomシリーズの組み込み機器版ともいえる「インテル Atom x3」を提供開始、プロセッサのバリエーションも拡大することで、応用範囲を広げていく。

 また佐藤氏はグローバルでの取り組みとして、産業界に向けてのIoT普及を目指す「Industrial Internet Consortium」、広範囲へのIoT普及を目指す「Open Interconnect Consortium」、2つのIoT団体についても同社(米Intel)が重要な位置を占めており、業界を挙げてのIoT普及に向けて尽力していくとした。


提供:インテル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2015年8月27日

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