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プロジェクション型VRシステムの可能性を広げる高性能ワークステーションの存在導入事例(ウシオライティング)

プロジェクション型VRシステム「HoloStage」のデモ環境を構成するワークステーションを刷新し、新たにデル・テクノロジーズの「Dell Precision 7920 Tower」を採用したウシオライティングに導入の背景と決め手になったポイントを聞いた。

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 VR(仮想現実)といえば、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を装着して3D CGで描かれた世界に没入するという利用形態をイメージするのではないだろうか。実際、小型・軽量で持ち運びも可能なHMD型VRシステムは、ゲームをはじめとするコンシューマー領域はもとより、コロナ禍で急拡大したリモートワーク環境にも比較的適用しやすいことから製造業のR&D部門などにも利用が広がっている。

 そして、アフターコロナの時代を迎えたといわれる今、あらためて注目を集めているのがプロジェクション型VRシステムだ。ウシオライティング 映像照明事業部 施工・フィールドサポート部 技術メンテナンス課 技師/上級バーチャルリアリティー技術者の橘内伸太郎氏は「当社にもプロジェクション型VRシステムの問い合わせが増えています」という。

ウシオライティング 映像照明事業部 施工・フィールドサポート部 技術メンテナンス課 技師/上級バーチャルリアリティー技術者の橘内伸太郎氏
ウシオライティング 映像照明事業部 施工・フィールドサポート部 技術メンテナンス課 技師/上級バーチャルリアリティー技術者の橘内伸太郎氏

 ハロゲン、LED、レーザーなどの各種光源とそれらを搭載したランプ、照明器具/機器の製造販売に加え、プロジェクターや産業機器の販売を主事業とするウシオライティングは、Christieブランドの多面立体4K VRシステム「HoloStage」をベースとするソリューションの展開に注力している。インフラ分野のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を加速する国土交通省 国土技術政策総合研究所にもHoloStageを納入するなど、実績を拡大している。

 ウシオライティングはプロジェクション型VRシステム市場の盛り上がりを受け、システム構成を刷新したHoloStageのデモ環境(VRルーム)を東京都中央区の本社に設置し、多方面からのニーズに応えられる体制を整えている。

プロジェクション型VRシステムの魅力とは

 プロジェクション型VRシステムが注目されているのには理由がある。HMD型VRシステムは手軽に使えて便利だが、視界に入る映像は内蔵の小型ディスプレイを通したものであるため自分の手足を見ることができず、対象物との距離などに違和感を覚えることも多い。

 これに対してプロジェクション型VRシステムは、大掛かりな設備が必要になるものの現実世界に限りなく近い体験が可能だ。液晶シャッターや偏光レンズを搭載した3Dメガネを通して外界の様子も同時に見られるため、自分の手足を“物差し”にしてVR空間に描かれた対象物との距離を直感的に把握できる。同じVR空間に居る他者ともアバターを介したものではなく直接顔を見ながらコミュニケーションできるため、円滑な意思決定につなげられる。モーションキャプチャー技術で取得した利用者の位置情報とVRコンテンツの情報をリアルタイムに連動させることで、VR空間を自由に歩き回ることも可能だ。

 両VRシステムの設計開発現場での利用について、橘内氏は「設計開発プロセスの段階では手軽なHMD型VRシステムを活用し、決裁権を持つ役職者を交えた最終段階の製品レビューの場でプロジェクション型VRシステムを活用するといった使い分けが進んでいくのではないでしょうか」との考えを示す。

 プロジェクション型VRシステムの導入を積極的に進めている自動車メーカーでは、「完成車のデザインイメージやユーザーの使い勝手を実サイズでリアルに確認できるため、クレイモデルの作成回数を大幅に減らすなど、開発リードタイムの短縮とコスト削減に貢献しています」と橘内氏は語る。

デモ環境をデル・テクノロジーズのワークステーションで刷新

 現在、プロジェクション型VRシステムの市場をリードしているのがHoloStageだ。HoloStageは2〜6面スクリーンから360度スクリーン、ドームスクリーンまで、用途に適したマルチスクリーン構成が可能だ。光出力1万4000〜5万ANSIルーメンの4K解像度プロジェクターがもたらす高精細の立体視映像によって、深い没入感を演出する。

 ウシオライティングはHoloStageを基盤とし、産業分野や学術分野の多様なアプリケーションにおいてユーザー要求に応える最適なソフトウェアと画像生成用ワークステーションを組み合わせたトータルソリューションを提案、提供している。本社に設置したHoloStageのデモ環境を活用し、実データでの検証や評価なども併せて行っている。

 HoloStageのデモ環境は、正面、右側面、床面の3面のスクリーンに、3台のプロジェクターで高精細な立体視映像を映し出す。HoloStageのコアとなる画像生成処理を担っているのが、デル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precision 7920 Tower」×4台だ。3台が画像生成用、1台がクラスタヘッドという位置付けだ。各ワークステーションが正面用、右側面用、床面用のプロジェクターと1対1で対応して映像を映し出すのが基本パターンとなる。ただし、デモで利用するアプリケーションの中にはクラスタ構成での実行に対応していないものもあり、その場合は1台のワークステーションで3面のスクリーンに映像を映し出すことも可能だ。

「HoloStage」のデモ環境(VRルーム)におけるシステム系統図 提供:ウシオライティング
「HoloStage」のデモ環境(VRルーム)におけるシステム系統図[クリックで拡大] 提供:ウシオライティング

 「HoloStageのデモ環境を構成するシステムの中で、特に強いこだわりを持って選んだのがデル・テクノロジーズのDell Precision 7920 Towerです」(橘内氏)

 Dell Precision 7920 Towerは「Intel Xeonプロセッサー」を搭載し、多用途に対応できる柔軟性と最高レベルのストレージ拡張性を備えたワークステーションだ。その名の通りタワー型のフォームファクターのマシンだが、環境に合わせた設置が可能なのでウシオライティングのデモ環境ではラックマウントで運用されている。

「NVIDIA RTX A6000」を3枚搭載できるワークステーションは他になかった

 なぜ、ウシオライティングはDell Precision 7920 Towerを選択したのか。橘内氏はその理由について、「VRシステムを取り巻くテクノロジーの進化は著しく、よりリアルな映像体験への要求もますます多様化し、高度になっています。こうした時代のトレンドに対応し、現時点で実現可能な最高レベルのソリューションをお客さまに提案するためにも、デモ環境は潤沢なコンピュータリソースを搭載する必要がありました」と説明する。

デル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precision 7920 Tower」
デル・テクノロジーズのワークステーション「Dell Precision 7920 Tower」[クリックで拡大]

 ゲームエンジン「Unreal Engine 5」をスムーズに動作させられることも必須条件だった。橘内氏は、レイトレーシングの高速処理に特化したハードウェアアクセラレーターであるRTコアを搭載したNVIDIAのGPUをターゲットとし、そのラインアップの中でもハイエンドに位置し、オプションボードの「NVIDIA Quadro Sync 2」にも対応する「NVIDIA RTX A6000」を利用したいと考えた。これを軸に各社のワークステーションを比較検討したところ、たどり着いたのがDell Precision 7920 Towerだった。

 導入の決め手となったのは、最大900Wのグラフィックス電源と最大3枚のダブルワイドグラフィックスカードをサポートしている点だ。これにより、1台のDell Precision 7920 Towerで最大3枚のNVIDIA RTX A6000を搭載できる。

 前述の通り、デモ環境で使用するアプリケーションの中には1ノードで3面のスクリーンに立体視映像を映し出す必要があるものも含まれるため、処理を担うワークステーションにはGPU3枚分のグラフィックス処理性能が求められる。

 「この拡張要件を満たせるワークステーションは他社には見当たりませんでした。標準構成の選択肢としてNVIDIA RTX A6000を3枚搭載できるワークステーションはDell Precision 7920 Towerだけでした」(橘内氏)

デル・テクノロジーズ クライアント・ソリューションズ統括本部 アウトサイドスペシャリスト部長の中島章氏
デル・テクノロジーズ クライアント・ソリューションズ統括本部 アウトサイドスペシャリスト部長の中島章氏

 ウシオライティングによるDell Precision 7920 Towerの導入について、デル・テクノロジーズ クライアント・ソリューションズ統括本部 アウトサイドスペシャリスト部長の中島章氏は「今回導入いただいた4台のDell Precision 7920 Towerには2〜3枚のGPUを搭載してお客さまの要件を満たすグラフィックス性能を実現していますが、特長はそれだけではありません。同時に演算性能も飛躍的に向上しているため、AI(人工知能)モデルやシミュレーションの実行エンジンとしても効果を発揮します。今後生成AIを使って描き出したグラフィックスをVR空間に展開するといったニーズが発生した際にも、Dell Precision 7920 Towerはそれに応えられる十分な性能を備えています」と説明する。


新たなVR体験の提供を通じて顧客との共創を加速

 ウシオライティングはDell Precision 7920 Towerのパワーを最大限に生かしたHoloStageのデモ環境を通じ、産業分野を中心とするさまざまな企業にプロジェクション型VRシステムの新たな価値を訴求する考えだ。

3Dメガネを通したときの見え方肉眼での見え方 「HoloStage」のデモ環境を用いて実スケールのバイクをVR表示している様子。左が3Dメガネを通したときの見え方、右が肉眼での見え方[クリックで拡大]

 橘内氏は「現実世界をリアルな立体視映像で再現して視認性を高めるといった効果もさることながら、物の見方を少し変えて、例えば自分をミクロなサイズに置き換えて装置や設備の狭いスペースに入り込んで機構を確認するなど、通常ではあり得ないことを可能にするのがVRに代表されるXR(Extended Reality)の良さです。今回刷新したデモ環境を、そのような体験を提供する場として活用しながらお客さまとさまざまな共創を行っていきたいと考えています」と今後の展望を語る。

 「VRでどのようなことができるのか?」といった疑問や「VRを使ってこんなことが実現できないか?」といったアイデアがあれば、ウシオライティングに相談するとよいだろう。Dell Precision 7920 Towerの導入で進化したHoloStageのデモ環境でVR体験することによって、新たな発見や気付きが得られるはずだ。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2023年11月13日

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