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AI対応エッジデバイス開発を加速するFPGAベースのエコシステム

自動運転や産業用ロボットなどの進化に欠かせないAI対応エッジデバイスの開発。これをあたかもブロック玩具であるかのようにハードウェアやソフトウェア、インタフェース、IPなどを選択してシステムを構築できるプラットフォームを手掛けるのがエレクトロニクス商社のアヴネットだ。

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 エッジコンピューティングの世界でも、AIを活用した高機能化や高付加価値化のニーズが高まっている。カメラやセンサーなどからの情報を基に、近くにいる歩行者や車両といった周囲の状況を瞬時に判断して危険を回避する「自動運転」や、生産ラインにおいて製造物の状況をカメラやセンサーで捉えて状況を自律的かつ的確に把握しつつリアルタイムに制御する「産業用ロボット」などはその代表格だ。

 ただ、エッジデバイスにAI機能を組み込むのは容易ではない。だが、あたかもブロック玩具を組み合わせるかのようにハードウェアやソフトウェア、インタフェース、IPなどを選択してシステムを構築できるプラットフォームがあるとしたらどうだろうか。設計はシンプルになり生産性は大幅に向上するはずだ。そんな産業用システム開発のプラットフォーム化で業界をリードしているのがエレクトロニクス商社のアヴネットだ。

 そのアヴネットが、2024年11月20日(水)〜22日(金)にパシフィコ横浜で開催される展示会「EdgeTech+ 2024」に出展する(ブース番号AZ-19)。同社は、AI対応エッジデバイス開発に関するさまざまなセッションに参加するとともに、最新ソリューションの展示も行う予定だ。

AMD、ルネサス、ノルディックのエンジニアがセッションに登壇

 展示会場内のセミナー会場で行われるアヴネットのセッションには、パートナー企業であるAMD、ルネサスエレクトロニクス、ノルディック・セミコンダクターのエンジニアが登壇する。

ザイリンクス アダプティブ エンベデッド アンド AI グループ エンベデッドセールス フィールド アプリケーション エンジニアの柴田貴章氏
ザイリンクス アダプティブ エンベデッド アンド AI グループ エンベデッドセールス フィールド アプリケーション エンジニアの柴田貴章氏

 AMDのセッション(D1-03:11月20日(水)12:30〜13:10)には、ザイリンクス アダプティブ エンベデッド アンド AI グループ エンベデッドセールス フィールド アプリケーション エンジニアの柴田貴章氏が登壇。「AMD Spartan(TM) Ultrascale+(TM) Versal(TM) Gen 2 FPGA ファミリ製品概要」と題し、第2世代VersalアダプティブSoCや新しいAMD Spartan UltraScale+ FPGAなど、AMDアダプティブSoC/FPGAの最先端技術について解説する。設計ツールのAMD VivadoとVitis、AIエンジンを使用した設計についても概要を紹介する。

⇒AMDの講演の詳細はこちらから

ルネサス エレクトロニクス エンベデッドプロセッシング第1事業部 アプリケーションプロセッサプロダクトマーケティング部 シニアプリンシパルエンジニアの小嶋伸吾氏
ルネサス エレクトロニクス エンベデッドプロセッシング第1事業部 アプリケーションプロセッサプロダクトマーケティング部 シニアプリンシパルエンジニアの小嶋伸吾氏

 ルネサスのセッション(D2-05:11月21日(木)14:30〜15:10)に登壇するのは、同社 エンベデッドプロセッシング第1事業部 アプリケーションプロセッサプロダクトマーケティング部 シニアプリンシパルエンジニアの小嶋伸吾氏だ。講演タイトルは「AIと高速リアルタイム制御の融合による次世代ロボットソリューション」。AIアプリケーションの実装にはオープンソースソフトウェアが豊富なLinuxが最適だが、ロボットの場合はAIによる判断を即座に運動制御に反映できる高いリアルタイム性能も必須だ。ルネサスの「AI-MPU RZ/V2H」は、80TOPSの高性能AIアクセラレーター「DRP-AI3」と800MHzのRTOSプロセッサCortex-R8を搭載して「AIと高速リアルタイム制御の融合」を実現している。この特徴を実証したデモの内容を紹介する。特に、ロボット開発に関わるハードウェア、ソフトウェアエンジニアを対象とした講演になっている。

⇒ルネサスの講演の詳細はこちらから

ノルディック・セミコンダクター アカウントマネージャーの小林紀之氏
ノルディック・セミコンダクター アカウントマネージャーの小林紀之氏

 ノルディック・セミコンダクターのセッション(F1-02:11月20日(水)11:30〜12:10)には、同社 アカウントマネージャーの小林紀之氏が登壇。「次世代BLE SoCであるnRF54およびCIoT向けnRF9151の概要」と題し、第4世代BLE SoCのnRF54とセルラーIoTデバイスのnRF9151を紹介する。nRF54はPCアクセサリーから産業用まであらゆるIoT製品をターゲットとしており、nRF9151は同社のセルラーIoTソリューションをさらに強化する新しい91シリーズだ。

⇒ノルディックの講演の詳細はこちらから

産業用システム開発をシンプルにするプラットフォームを提供

 アヴネットのEdgeTech+ 2024の展示で中核を成すのが、AI対応エッジデバイスの開発を加速するAMDの製品だ。

 AMD製品に関する高度な知見を有するアヴネットは、その多彩な技術を活用して産業用エッジデバイスの設計・開発をシンプルにするプラットフォームを提供している。そこでの主軸に据えているのが、買収によってAMDのポートフォリオに加わった旧ザイリンクスが強みとしてきたAMD FPGA/SoCだ。

 なぜAMD FPGA/SoCなのか。アヴネットの長内和久氏(第3統括本部 半導体第2事業部 第1PM部 3課 課長)は、「FPGAの最大の特徴は回路を後から動的に書き換えられることで、製品出荷後も機能の追加や修正などのアップデートが可能です。特にAMD FPGA/SoCは、対象製品ごとに必要な回路のみを実装して共通化、プラットフォーム化することが可能です」と説明する。このメリットを最大限に生かすべく、アヴネットは多様なパートナーと連携・協業してエコシステムを拡大している。

アヴネットが提供する開発プラットフォーム
アヴネットが提供する開発プラットフォーム

独自IP/アルゴリズムの映像ソリューション――シーアイエス

 具体的にどんなソリューションがパートナーのエコシステムから生み出されているのか。EdgeTech+ 2024のアヴネットブースでその一端を目にすることができる。

 産業用イメージングシステムメーカーのシーアイエスは、ビルド済みのハードウェアアクセラレーション「AMD Kria K26 SoM」に対応した500万画素FAカメラを中心に、「SLVS-EC RX IP」と呼ぶIPや独自アルゴリズムで高画質を得るISP(Image Signal Processor)の「Clairvu」を組み合わせた映像ソリューションを展示する。

 シーアイエスの小久保有二氏(取締役 設計部門 部門長)は、「SLVS-EC RX IPは、AMD FPGA/SoCの高速トランシーバーを経由して受信したバイトデータからピクセルデータを抽出することに特化し、リソース消費を抑えるIPです。イメージセンサーの性能を損なうことなく最小限のロジックリソースでインタフェースを実現できるため、より多くのロジックリソースをアプリケーション処理に振り向けることが可能です。ClairvuはAMD FPGA/SoCへの実装を最初から意識した設計で、小さな回路規模ながら高画質を実現します」と説明する。

シーアイエスが提供するソリューションのシステム構成
シーアイエスが提供するソリューションのシステム構成

AI推論とGigE Vision IPで高速画像伝送――OKIアイディエス

 AMD FPGA/SoCを含めたハードウェアからソフトウェア開発、AI実装まで受託開発全般を担っているOKIアイディエスは、Kria KR260 SoM上にAI推論とGigE Vision IPを実装した、エッジにおけるAI活用と高速画像伝送の適用システムをアヴネットブースで展示する。

 OKIアイディエスの岩崎公一氏(事業統括部 SE部 マネージャー)は、「被写体の人物から取得した映像を基に、Kria KR260ロボティクス スターターキットに実装されたAIモデルによる推論を行って骨格および姿勢を推定。ポーズに応じた重畳(画像処理)を行い、GigE Visionで高速画像伝送してモニターにリアルタイムに表示する一連の処理の様子をご覧いただけます」と語る。

 アヴネットブースでは、OKIアイディエスとシーアイエスとの連携で、SLVS-EC RX IPを使用した4Kカメラの画像入力による「GigE Vision+AI」のデモンストレーションも実施されるという。この機会を逃すことなく、ぜひEdgeTech+ 2024を訪れて両社の連携ソリューションのインパクトを直接見て実感してほしい。

OKIアイディエスが提供するソリューション
OKIアイディエスが提供するソリューション

さまざまなコーナーの展示ではデモ体験が可能

 これらの他にもアヴネットブースではさまざまな展示を行う予定だ。

 「Edge AI Solutions」コーナーでは、ルネサスの画像認識AI向け組み込みプロセッサを展示する。AIアクセラレーターDRP-AI3による画像認識AIとリアルタイム制御の融合を実現したプロセッサであり、RZ/V2Hを使った最新のロボット制御デモを行う。また、Arm(R) Cortex(R)-M85コアを搭載する高速グラフィックス表示用マイコン「RA8D1」によって速やかに運転手の表情を認識できるマイコンベースのAIを体験可能なデモも予定している。

 「Industrial」コーナーでは2社の製品を展示する。Dragino/Kerlinkは、LoRaWAN対応近接センサー、開閉センサー、電流センサー、接点出力をLoRaWANネットワークに表示し、ネットワークから端末を操作するなどのデモを行う。産業、農業、ビルオートメーションなどへの応用が可能で、設置後のコストも含めて最も安価かつ設置も容易なソリューションになるという。

 オンセミが展示するiToF測距センサー「Smart iToF AF0130」は、照射光と反射光の位相差を利用して奥行きを測定して3D距離画像を作成し、動作中の物体の距離を高精度に測定する。高解像度と短〜中距離対応を特徴としており、周囲光を除去する機能により、多様なアプリケーションに適している。

 「Communication/IoT」コーナーでも2社の製品の展示を行う。NXPセミコンダクターズは組み込み向け最新MCU/MPU製品としてMatter(コントローラー、ボーダールーター、ノードをNXP製品で構成)、アノーマリーデテクション、モーターコントロール、UWBによる位置測位(RTLS:Real Time Location System)、LE Audio(低レイテンシの無線オーディオ伝送)など、MPU、MCU、センサーを組み合わせて実アプリケーションをイメージしやすいソリューションを展示する。

 STマイクロエレクトロニクスの展示は「VL53L8CX 8x8マルチゾーンToFセンサ」だ。STM32マイコン+マルチゾーンToFセンサによるスマートプレゼンス検知(SPD)のデモでは、接近検知、遠ざかり検知、通過検知、立ち止まり検知、複数人トラッキングの5つを体験できる。また、今年入社した学卒新人FAEが、研修期間のわずか2週間で仕上げた、AIのハードルをぐっと下げるSTマイクロエレクトロニクスのSTM32マイコンで実現可能なNano Edge AIを用いた異常検知デモも披露する。

 「Interconnect Passives & Electromechanical」コーナーでは、YAGEO Groupがチップ抵抗、MLCC、電解コンデンサー、パワーインダクター、パルストランスなどのサンプル展示を行う。

 アヴネットのグローバルブランドであるTriaの製品も展示する。Triaは、組み込みディスプレイ、コンピュート、ソフトウェアを設計・開発し、世界中の顧客に提供しており、最新のCPU、MPUを搭載したTriaブランドのSoM、CoMを展示する。機器をリモート制御する展示も準備しているという。

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提供:アヴネット株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2024年10月29日

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