高解像度、広視野角とコスト低減を同時実現する「自動車用イメージングレーダー」:自動運転技術
インキャビンセンシングと先進運転支援システム(ADAS)の両方の用途に対応する次世代型イメージングレーダーは、信頼性と経済性に優れたテクノロジーです。しかし、選定に当たってはコスト効率や実用性、信頼性が重要な基準となります。この最優先の基準に加えて、導入時に必要となる隠れたコストや労力、リソースについても考慮する必要があります。
世界の自動車用センサー市場は、重大な転機を迎えています。世界の主要な自動車メーカーおよびティア1サプライヤーは、カメラやLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)、従来型のToF(Time-of-Flight)レーダー、超音波センサーなどのソリューションよりも、信頼性と経済性に優れたテクノロジーを模索しています。その候補となり得るテクノロジーの1つが、インキャビンセンシングと先進運転支援システム(ADAS)の両方の用途に対応する次世代型イメージングレーダーです。
イメージングレーダーソリューションの選定に当たり、評価の重要な基準となるのは、コスト効率、実用性、信頼性です。この最優先の基準に加えて、導入時に必要となる隠れたコスト、労力、リソースを十分に調査し、総合的に判断する必要があります。
Vayyar製品の優位性
Vayyar Imaging(バヤー・イメージング、以下Vayyar)の先進技術である4Dイメージングレーダーオンチップ(RoC、Radar-on-Chip)は、価格とパフォーマンスのバランスが非常に優れていることに加え、自動車メーカー側やティア1サプライヤー側の開発負荷を軽減し、上記の条件をクリアできます。
このチップはAEC-Q100認定を取得済みでASIL-Bに準拠しています。デジタル/アナログを問わず、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)やMCU(マイクロコントローラー)を含む全てのRFコンポーネントがチップ上に集約されており、類似のRoCの中でも最も優れたパフォーマンスと低消費電力を実現しています。
Vayyarのセンサーは最大48のアンテナを1個のチップに組み込んでおり、消費電力を抑えながら非常に高い解像度を得られます。これにより、総合的な検知ソリューションが実現します。車内でも車外でも複数のターゲットをピンポイントの精度で追跡し、自動車業界の厳しい安全要件を達成することができます。
高い解像度と広い視野角を併せ持つVayyarの4Dイメージングレーダーは、幅広い用途に活用できるよう設計されています。自動車メーカーはこのレーダーを採用することで、「用途ごとに別々のセンサーを搭載する」というアプローチから、1つのセンサーで複数の用途に対応し、部品点数を減らすというアプローチに移行することが可能です。つまり自動車メーカーとティア1サプライヤーは、車両に搭載するセンサーの数を大幅に減らしながら、安全性を高め、コストを削減します。さらに、チップのプラットフォーム構成を活用することで、車内や車外の安全性を高める先進ソリューションを独自に開発することもできます。
信頼性と経済性に優れたVayyarの高解像度レーダーテクノロジーは自動車向けセーフティセンサーの新基準となり、自動車メーカーは車内でも車外でも高い安全基準を達成できるようになります。Vayyarのセンサーを車内に1個、車外に2〜4個搭載することで、車両のユーロNCAPでのポイントを最大で35%多く獲得し、5つ星評価を達成できる他、2020〜2025年のロードマップに記載されている複数の規制の要件を満たせます。
ただし、車両に新しいテクノロジーを導入するに当たっては、広い視野で導入方法を計画する必要があります。4Dイメージングレーダーの場合、リスクを避けながら円滑に導入を進めるためには、合理的なアプローチを提供するサプライヤーが欠かせません。
最初から最後までサポート
従来、イメージングレーダーを利用したソリューションを開発するには大変な労力が必要でした。ソリューションの基盤となるハードウェアについては、レーダーのIC、アンテナ設計、BOM(部品表)の管理、プリント基板(PCB)の設計、そして製造までを担う必要があります。そこに複数のサプライヤーが参画する場合、スケジュールを遅延なく進めることが難しい場合もあります。
一方、Vayyarでは必要なハードウェアコンポーネントを全て含む包括的ソリューションを提供しています。高性能のミリ波RFICと大型MIMOアンテナアレイに加え、厳しいテストを経たレファレンスデザインも用意されており、車内監視とADASの両方の用途に対応できます。
ソフトウェアについては、最先端の4Dイメージングレーダーアルゴリズムと豊富なデータセットが用意されており、市場投入までの時間を大幅に短縮します。自動車メーカーやティア1サプライヤーは、完全に後処理される3D/4D点群APIを利用して、このプラットフォームを基盤とするアプリケーションを短期間で開発できます。
部品調達レベルでは、Vayyarのハードウェア/ソフトウェアプラットフォームを導入することで、レーダーに詳しい専門的人材が不要になり、統合やテストの必要性もなくなります。
Vayyarは、レーダーRFICと低コストの開発用基板の他にも、さまざまなサービスを提供しています。Vayyarが提供する「プロトタイプから大量生産まで」の完結したソリューションによって、複数のコンポーネントを使用した複雑なテクノロジーに内在するリスクを減らします。レーダーアルゴリズムを熟知した技術者やサポート担当者など、経験豊かなプロフェッショナルの支援を受けながら、テクノロジーを確実に統合することができます。レーダー開発にリソースを割く必要がなくなるため、イメージングを中心に開発を進め、車内と車外の両方の幅広い用途に対応する実用性の高いソリューションを実現します。
独自のインキャビンセンシング機能
車内監視の用途でも、Vayyarは最先端を目指しています。1個のチップのみで、3列全てのシートを監視して8人分の乗車状況を検知できる車内監視ソリューションが可能です。1個のRFICによって乗員を検知し、その位置を特定して、大人か子どもかを判別するため、複数の安全対策デバイスの間で誤検知が生じる問題を回避できます。高性能の4Dイメージングレーダーチップを利用することで、幼児置き去り検知(CPD)、シートベルト付け忘れ防止(SBR)、エアバック展開の最適化、侵入検知アラートなどの幅広い安全機能がサポートされます。
死角のない安全性
車外についても、Vayyarの統合ソフトウェア/ハードウェアプラットフォームによってADASソリューションを構築できます。従来型のADASでは多い場合で10個以上のセンサーが必要でしたが、4個以下で済みます。従来型のレーダーと同程度の価格ながら、他社製品よりも高い解像度と優れた信頼性を実現しており、短距離レーダー(SRR)、中距離レーダー(MRR)、長距離レーダー(LRR)の各用途に対応します。
このチップは幅広い速度域でドライバーを支援します。低速走行時には、例えば点群データを使用して駐車支援を行うことができます。高速で走行する際には、死角検知(BSD)、自動緊急ブレーキ(AEB)、前方/後方衝突警報(FCW/RCW)、前進時/後退時の側方衝突警報(FCTA/RCTA)、車間距離制御装置(ACC)、大きな障害物などの警報を行います。
Vayyarの多用途ソリューションでは、パッシブ型およびアクティブ型のさまざまな安全機能を組み合わせることができ、さまざまな面で安定したパフォーマンスが得られます。
実用性に優れたテクノロジー
VayyarのソリューションはAEC-Q100の認定を取得しており、ASIL-Bに準拠しています。さらに、数百万件のテストサンプルを使用して徹底的に評価されており、業界最高レベルの信頼性を実現しています。大量生産に対応し、ソフトウェアアーキテクチャを変えずに60GHzと79GHzの2つの帯域で運用できるシステムになっています。
年々改訂される安全性要件や、急速に進むイノベーションに対応するよう、Vayyarでは無線ネットワークによるソフトウェアアップデート(OTA:Over-The-Air)も実施しています。これにより、自動車メーカーやティア1サプライヤーは公道を走り始めた車両にも最先端のアップデートを適用できます。自動車業界の変化に合わせて、リモートからアプリケーションを更新し、車両のライフタイムが終わるまで多機能性を維持します。
Vayyarでは他のイメージングレーダーサプライヤーと異なり、リスクを軽減し、車両に必要なセンサーの数を大幅に減らす完結型のプラットフォームを提供しているため、長期にわたってコストを下げ、複雑さを解消することができます。
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提供:Vayyar Imaging Japan合同会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2022年4月30日