EVアカデミー2022:講演者一覧

講演概要と講演者情報 day1 車両セッション


day1 Session 1
EVの歴史

「18世紀の電池やモーターの発明に始まり、19世紀末から20世紀初頭のEVの第一次興隆期までを概観。エンジン車の登場によりEVが衰退し、やがて20世紀末のGMの「インパクト号(EV)」の登場に始まり、今日のEVの興隆に至るまでを概観する。また、1899年に世界で初めて時速100キロの壁を破った「ジャメ・コンタント号(EV)」については詳細を報告する。

一般社団法人日本EVクラブ代表理事
舘内 端 氏

1947年群馬県生まれ。日大理工学部卒業。東京大学宇宙航空研究所勤務の後、レーシングカーの製作会社「ベルコレーシング」に入社。1977年に独立。カーオブザイヤー選考委員就任。1994年に電気フォーミュラーカー「電友1号」を製作、米国のEVレースに参戦、帰国後「日本EVクラブ」を設立。自動車のCO2削減運動に取り組む。環境大臣表彰受賞。EVの1充電航続距離555.6km(公道)、1003km(テストコース)でギネス認定。日本EVクラブ代表理事。



day1 Session 2
二次電池の歴史と各種二次電池の原理

繰り返し利用ができる二次電池は社会の様々なシーンで活躍をしている。自動車のスターター用途には鉛蓄電池、ハイブリット自動車用途にはニッケル水素電池、携帯機器や電気自動車用途にはリチウムイオン二次電池が使われている。本講演では、二次電池の歴史や各種二次電池の原理について詳細に解説をする。加えて、今後の実用化が期待されている新型二次電池についても紹介をする。

day1 Session 3
リチウムイオン二次電池の現状と今後の展望

リチウムイオン二次電池(LIB)は、1991年に初めて商品化されてから約30年が経過した。近年は、携帯機器のみならず、電気自動車の駆動電源や住宅用のバックアップ電源等として急速に社会への導入が進んできている。本講演では、LIBの原理やセル構造、構成部材について詳細に解説をする。加えて、車載用途を中心に技術開発の現状と課題並びに早期実用化が期待されている全固体LIBについても紹介をする。

国立研究開発法人 産業技術総合研究所
電池技術研究部門 総括研究主幹
小林 弘典 氏

1996年 神戸大学自然科学研究課博士課程修了博士(理学) 大阪工業技術研究所(現:産業技術総合研究所)入所、2008年(平成20年)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)燃料電池・水素技術開発部主任研究員、2010年 産業技術総合研究所ユビキタスエネルギー研究部門主任研究員、2015年 同所電池技術研究部門総括研究主幹、現在に至る。アドバンストバッテリー技術研究会幹事長、電池技術委員会役員、電気化学会関西支部幹事、電気化学会普及委員会委員、NEDO技術委員、国際二次電池展セミナー企画委員他



day1 Session 4
EV用モーターとは

電動車両(EV)はモータで走行する車両である。EV用モータは従来のモータから出発しているが、EV専用モータとして独特のモータとなっている。そのため、EV用モータへの要求は単に小型高効率化だけでなく、自動車にふさわしい特別なモータとしての要求も加わってきている。本講演では、EV用モータのとしてよく使われるIPMモータ、誘導モータなどの基本、それらの制御、および冷却について解説する。さらに、EV用モータの今後の動向についても述べる。

day1 Session 5
EV用インバーターとは

電動車両(EV)は三相交流モータで走行する。また,EVのエネルギ源はバッテリに蓄積された直流である。そのため,は直流を交流に変換する電力変換の機能があるインバータが、すべてのEVに搭載されている。インバータは電動車両のキーコンポーネントである。本講演では、インバータの原理、インバータによるモータ制御、およびインバータの冷却について解説する。特に冷却はEV 用インバータでは最も注力されている技術である。最後に、EV用インバータの今後の動向についても述べる。

モリモトラボ 代表
森本 雅之 氏

1977〜2005年 三菱重工業、2005〜2018年 東海大学教授、2018〜モリモトラボ(MorimotoR Lab.) 代表。28年間の企業での研究開発の経験と、13年間の大学での教育研究の経験を活かし,社会人教育を行っている。工学博士、電気学会フェロー。著書は、「電気自動車」、「入門インバータ工学」、「交流のしくみ」,「パワエレ図鑑」など多数。



day1 Session 6
PHEVとは ― 今、なぜPHEVなのか? ―

PHEVとは、どんなシステムで、どんな特徴があるのか、を解説します。PHEVとは。充電できるハイブリッド車のことで、EVの航続距離を克服するために1990年代に登場しました。普段はEVのように電気だけで走ることができるが、EVとは違い、エンジンでも走行できる。EVはバッテリの進化がポイントで、PHEVはバッテリ性能を補う技術です。PHEVの環境性能は、地域によってはEVよりも優れる場合がある。課題は、電動化部品の小型化、低コスト化と、充電環境、です。

三菱自動車工業株式会社 EVパワートレイン先行開発部 担当部長
半田 和功 氏

1994年の入社以降、一貫して電動車開発に取り組む。電気自動車 i MiEVの開発、プラグインハイブリッド車 アウトランダーPHEVの開発を担当し、現在は電動車の先行開発を取りまとめる。電動×S-AWCで、三菱自動車ならではの頼もしい走りの楽しさと、いっしょに乗る家族の笑顔が広がる電動車の開発をめざしています。



day1 Session 7
FCVとは

EVの一種である、FCV(燃料電池自動車)について、燃料電池の原理と歴史を水素と酸素の反応から解説するとともに、燃料電池の種類と特徴を述べる。続いて、FCVの構成と特徴、並びに今後のFCVの普及のための課題について解説する。最後に、燃料電池、自動車、再生可能エネルギー関連の参考資料を紹介する。

一般社団法人 燃料電池開発情報センター 前常任理事、現 神奈川大学理学部非常勤講師
吉武 優 氏

京都大学大大学院工学研究科博士課程修了。電気化学専攻。工学博士。
AGCでイオン交換膜法水電解、代替フロン製造用触媒、PEFCなどの開発に従事後、(一社)燃料電池開発情報センターに常任理事として勤務。現在は神奈川大学理学部非常勤講師。複数の大学で水素・燃料電池の講義を担当。NEDO技術委員、(公財)日本野鳥の会会員。



day1 Session 8
新エネルギー車の将来動向

2021年は従来の自動車メーカーのみならず、IT始め多くの企業が新エネルギー車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池車)への参入を表明してきました。2022年はますますその勢いが増すと思われます。なぜこのような大きなトレンドとなってきたのか、はたまた将来はどのような方向に進んでいくのでしょうか。電気自動車の開発責任者を経験し、現在は多くの企業にご支援をさせていただいている筆者が、新エネルギー車の現在地およびその将来動向について、考えをご紹介いたします。

株式会社 日本電動化研究所 代表取締役
和田 憲一郎 氏

日本初のe-mobilityコンサルタント。三菱自動車入社後、2005年から新世代電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」のプロジェクト・マネージャーなどを歴任。発売後は本社にてCHAdeMO協議会など、EV充電インフラを牽引。その後、株式会社日本電動化研究所を設立し、現職。国内外の企業にコンサルティングを行うとともに、アイティメディアMONOist「和田憲一郎の電動化新時代!」など新聞・メディアに多数のコラムを連載中。「一般社団法人 自動車100年塾」代表理事も務める。著書に『成功する新商品開発プロジェクトのすすめ方』(同文舘出版)がある。



day2 インフラセッション


day2 Session 1
電動車の急速充電とは

急激に普及が進展している電動車(EV)に対して、エネルギーを補充するのが充電インフラです。まず、充電インフラとは何か、充電インフラはどうあるべきか、という基本的な説明をします。その上で、充電インフラの普及拡大のための課題、必要なインフラの条件とは何か、クルマの蓄電池を電源に使うV2Xシステムについて説明します。

day2 Session 2
急速充電の課題と未来

急速充電インフラを考える際に非常に重要なことが国際化である。自動車はグローバルに流通するものであり、国際的な競争に面している。その競争に大きく影響するのが、自動車や充電インフラに関する法規や標準という決め事である。その動向を説明するとともに、世界に対抗してく為の方策として高出力化、安全性の担保、など技術的に何に取り組むべきかを解説する。

一般社団法人 CHAdeMO協議会 事務局長
吉田 誠 氏

1989.3 慶應義塾大学理工学部機械工学科 卒業(生体医工学)
1989.4 日産自動車梶@入社
1997.7 欧州日産 ブラッセル事務所(管理職出向)
2001.7 日産自動車兜恊E CEO/Alliance Office
2007.4 北米日産 ワシントン事務所(ワシントン事務所長)
2011.4 日産自動車兜恊E 法規認証室、グローバル技術渉外部 部長
2014.4 日産自動車梶@渉外部担当部長
2015.4 一社)チャデモ協議会 事務局長(兼務)



day2 Session 3
日本の充電インフラの現状とe-Mobility Powerの取り組み

2050年のカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す首相のこの発言を契機に、日本は電動車両普及の大きな転換期を迎えることとなった。本講演では、電動車両の普及に不可欠な、日本の充電インフラにおける課題と、課題解決に向けたe-Mobility Powerの具体的なアクションについて紹介するとともに、電動車両普及がもたらす未来について考察する。

株式会社e-Mobility Power代表取締役社長
四ツ柳 尚子 氏

1992年3月 早稲田大学卒業、同年4月 東京電力株式会社入社、1997年2月 本店企画部、2002年7月 本店営業部、2008年7月 本店営業部ショールーム企画グループマネージャー、2011年3月 計画停電に伴う節電施策のプロジェクトマネージャー、2012年6月、 本店経営改革本部事務局、2014年 本店営業部暮らしのプラットフォーム構築グループマネージャー、2017年7月 東京電力エナジーパートナー株式会社 商品開発室副室長、2018年10月 東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所リソースアグリゲーション推進室 室長補佐、2019年10月 株式会社e-Mobility Power代表取締役社長



day2 Session 4
ワイヤレス充電とは

ワイヤレス充電について、4つの電力伝送の方式や現在の研究開発の最新動向や、商品で実現できているレベルとの違いなどについて、主に入門者を対象としてEV向けに限定せずに幅広く解説する。

東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 准教授
居村 岳広 氏

2019年より東京理科大学の野田キャンパスに居村研を立ち上げる。ワイヤレス電力伝送を専門とした研究室である。
森北出版より「磁界共鳴によるワイヤレス電力伝送」、Springerより「Wireless Power Transfer: Using Magnetic and Electric Resonance Coupling Techniques」を出版。現在、一般向けの3冊目を執筆中。
EV向けのワイヤレス給電から、宇宙向け、がん治療向けなど、幅広くワイヤレス電力伝送について研究を行っている。



day2 Session 5
自動車のライフサイクル評価

製品の環境影響をライフサイクルの視点から定量的に分析するLCAに関する基礎的な事項と自動車に適応することでわかることについて解説する。特に、気候変動と資源循環を中心にLCAの研究成果や国内外における利用動向と今後の展望について紹介する。

東京都市大学 環境学部 教授
伊坪 徳宏 氏

1970年愛知県生まれ。東京都市大学環境学部教授、同大学院環境情報学研究科長。東京大学工学系研究科材料学専攻修了(博士)。1998年から社団法人産業環境管理協会の経済産業省LCA国家プロジェクトで、ライフサイクル影響評価手法を開発。2001年から独立行政法人産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント研究センターで環境影響評価手法LIMEの開発と産業界への応用研究に従事。2005年から東京都市大学(旧武蔵工業大学)環境情報学部准教授。2011年から同大学総合研究所環境影響評価手法センター長、2013年から教授、2016年より同大学院環境情報学研究科長。担当分野は環境科学、材料学、ライフサイクル影響評価など。共署に「LCA概論」(産業環境管理協会、2007)や「環境経営・会計」(有斐閣、2012)「LIME3」(丸善出版、2018)などがある。



day2 Session 6
供給電力のゼロエミッション化と電気自動車の普及

地球温暖化が喫緊の課題となり、世界がカーボンニュートラルに向けて動き出している。運輸部門でも、ガソリン自動車から電気自動車(EV)へとシフトし始めた。EVは走行中には、CO2を排出しないが、充電電力の低炭素化を進める必要がある。2050年のカーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギー電源の導入を加速している。しかし、再生可能エネルギーによる太陽光・風力発電は、「お天気任せ、風任せ」で安定した電源とする必要がある。EV化は、CO2排出を減らすばかりではなく、太陽光・風力発電の導入でも、充電・放電制御による安定化にも寄与が期待される。

一般財団法人 電力中央研究所 特任役員
池谷 知彦 氏

1989年 慶応義塾大学大学院 理工学研究科 博士課程終了 工学博士
1989年 電力中央研究所 入所。二次電池開発、電力貯蔵・電気自動車利用技術、水素エネルギー利用技術に従事
2002年 新エネルギー産業技術総合開発機構(NEDO)に出向、燃料電池水素技術プログラムマネージャー
2006年 出向解除、電気自動車・電力貯蔵利用技術、電化推進に従事。国プロの推進、評価、採択委員会、審議会などに参画 2020年 特任役員 現在に至る


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