紙・Excelから脱却し、自律化工場を目指す ― クラウド型MESとAI活用基盤の構築世界3000拠点の実績、最短6カ月で稼働

変化する需要への対応や品質、トレーサビリティー要求の高度化などを背景に、製造業における現場データ活用の重要性が増している。一方、紙やExcelでの管理や、工場ごとに作り込まれた既存システムでは、製造現場で発生する情報をリアルタイムに集約/一元化し、計画や品質改善に生かすには限界がある。ロックウェル オートメーション ジャパンはこの課題に対し、クラウド型MES「Plex」を提供している。その価値と導入の要点を聞いた。

PR/MONOist
» 2026年07月15日 10時00分 公開
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 市場の不確実性やサプライチェーンの混乱など、製造業を取り巻く環境は大きく変化している。中でも「100年に一度の変革期」にあるといわれる自動車業界では、電動化に伴う製品構成の多様化、地政学リスクや原材料価格の高騰によるサプライチェーンの再編、部品/システムの高機能化を背景とした品質とトレーサビリティー要求の高度化が同時に進行している。

 こうした変化に対応するには、製造現場のデータを一元的に集約し、必要なタイミングに適切な形で活用できる環境が不可欠だ。しかし、実際の現場ではデータ管理/活用に課題を抱えているケースも多い。

 Rockwell Automation(ロックウェル・オートメーション)の日本法人であるロックウェル オートメーション ジャパンでエンタープライズソフトウェア セールス本部長を務める吉崎哲郎氏は「品質チェックの結果が工程ごとに異なる形式で管理されていたり、担当者のPC内に閉じられていたりと、現場データが分散/属人化しているケースが多くあります。その結果、不具合発生時の原因追跡に時間を要する、各拠点の進捗/品質/在庫/設備停止状況の可視化が難しくなるといった課題も生じています」と指摘する。

製造業を取り巻く課題の例 製造業を取り巻く課題の例[クリックで拡大]提供:ロックウェル オートメーション ジャパン

 そこで重要になるのが、製造現場の情報を一元管理するMES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)だ。

 ERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)が人/モノ/カネを中心に企業活動を管理するのに対し、MESはERPなどの上位システムが持つ計画情報と、製造現場で発生する実績情報をリアルタイムにつなぐ役割を担う。

既存のMESが直面する限界

 製造現場のデータ活用を目的に、既にMESを導入している企業もある。ただし、従来のMESはオンプレミス型やスクラッチ開発型で導入されるケースが多く、運用/拡張の面では課題も顕在化している。

ロックウェル オートメーション ジャパンの吉崎哲郎氏 ロックウェル オートメーション ジャパンの吉崎哲郎氏

 オンプレミス環境では、サーバやデータベースの管理、バックアップ、バージョンアップなどを自社のIT部門が担う必要があり、拠点が増えるほど保守負荷は大きくなる。スクラッチ開発や個別カスタマイズを重ねたシステムでは、工場ごとに仕様やフォーマットが異なりやすく、データの標準化や拠点横断での可視化も難しくなる。

 こうした課題に、既存システムの老朽化も重なる。吉崎氏は「メインフレームの基幹システムを使い続けている例もあります。近年はERPのクラウド化や刷新をきっかけに、現場側のMESも見直す企業が増えています」と説明する。

 MESにも新たな選択肢が求められる中、ロックウェル オートメーション ジャパンが提案するのがクラウド型MES「Plex(プレックス)」だ。

北米の自動車業界を中心に普及

 Plexは、ロックウェル・オートメーションが2021年に買収したPlex Systemsのテクノロジーを基盤とする。もともとは北米の自動車サプライヤーが自社向けに開発したツールを起点に、約30年にわたり機能を拡張してきた。現在グローバルで1000社超、3000サイト以上の導入実績を持ち、約7割を自動車関連産業が占める。1日当たり100億件以上のトランザクションを処理し、直近12カ月の稼働率は99.996%を達成している。

Plexの主要な指標 Plexの主要な指標[クリックで拡大]提供:ロックウェル オートメーション ジャパン

 Plexでは受注から出荷までの情報を一元管理し、生産計画/作業指示、現場データ収集(IoT活用)、品質管理、トレーサビリティー、設備保全、KPI分析など多角的に活用できる。工場の現場に必要な時間/分単位の粒度でデータを管理するため、ERPだけでは見えない現場の実態をリアルタイムに把握できることも強みだ。SaaS型のため、PC/モバイル端末を問わず拠点をまたいで同じデータ/指標で状況を把握でき、本社による横断的な可視化、分析も可能だ。

 中でも、要求の高度化が著しい品質管理とトレーサビリティーには、特に充実した機能を備えている。

 品質管理の領域では、自動車産業で広く求められるIATF 16949に準拠したQMS(Quality Management System)を備え、工程ごとの品質チェック項目や検査結果を製造実績とひも付けて一元管理が可能である。

 蓄積した品質データを外部と共有するために、完成車メーカーに対しては品質チェック結果をリアルタイムで共有するポータルサイトを、サプライヤーに対しては品質/納期/価格面で複数社を比較、連携できるポータルサイトをそれぞれ設けている。

 トレーサビリティーの領域では、部品の問題発見時にその使用先を前方から追う「フォワードトレース」と、出荷後の不具合発見時に完成品から材料/サプライヤー/装置/作業者をさかのぼる「バックトレース」の2機能を備える。問題発生時の原因特定や影響範囲の把握を迅速に行えるだけでなく、監査資料はデータを選択するだけで数分以内に出力でき、従来は数週間かかっていた監査準備を大幅に効率化できる。

Plexの特徴 Plexの特徴[クリックで拡大]提供:ロックウェル オートメーション ジャパン

 「Plexには数千に及ぶ機能とオプションがあり、適切に設定することで幅広い工程に対応できます。個別にカスタマイズしなくても対応可能だからこそ、統一したマスターデータの作成や全拠点で共通の機能/設定をそろえた運用が実現できます。その過程でお客さま側で業務を見直していただき、Plexの導入が業務の整理/標準化のきっかけになる場合もあります」(吉崎氏)

 セキュリティ面では北米、日本、欧州の3拠点でバックアップを持ちながらホスティングしており、マイクロソフトの「Azure」をはじめとする世界トップクラスのクラウドインフラを活用する。サイバーセキュリティに関する国際認証も取得しており、自社管理よりもクラウドの方がセキュリティ面で有利と判断するユーザー企業も増えているという。

ロックウェルがMESを手掛ける意義

 ロックウェル・オートメーションは製造現場の制御システムを長年手掛けてきた。生産設備からデータを取得してMES上で活用できる形に整えるノウハウはその蓄積から生まれており、同社がMESを手掛ける意義もここにある。

 加えて、MES導入に伴うネットワークやセキュリティの相談、デジタルツインを活用した工場新設時の事前検証、自動搬送システムとの連携など、現場全体を見据えた提案ができる点も同社ならではの強みだ。海外に生産拠点を展開する日本企業に対しては、グローバルネットワークを活用した現地サポートも提供できる。

 「工場の自動化/自律化を進める上では、現在のMESで直接使うデータだけでなく、将来的なAI活用を見据えて現場機器から得られるデータを取得、蓄積しておくことも重要です。そうした提案ができることも強みの1つです」(吉崎氏)

最短6カ月で構築、在庫精度99%に

 Plexの導入は、対象となる工場や業務プロセスの把握から始まる。契約前の工場見学や2〜3日程度のワークショップで顧客の既存システムや業務手法を確認した上で、各モジュールをどこまで導入するかを含め、対応範囲/ライセンス構成/構築範囲を固めて技術/業務の両面から要件を整理する。

 契約後は品番/BOM/サプライヤー/工程情報などの基本データを整理しながら機能や設定を選び、代表的な製品や工程で先行的に検証しながら対象範囲を広げていく。従来のオンプレミス型MESでは本番稼働まで2〜3年かかるケースもあるが、Plexでは最短6カ月、長くても1〜1.5年以内での構築を目指せる。

Plex導入に向けたプロセス Plex導入に向けたプロセス[クリックで拡大]提供:ロックウェル オートメーション ジャパン

 Plex導入の鍵として、吉崎氏は顧客側の「チャンピオン」育成を挙げる。チャンピオンとは、社内でPlexの活用を主導する推進役のことだ。

 「初期の環境構築は当社が支援しますが、最終的にはお客さま自身でマスターデータの追加や他工場への展開、環境の改善を進められる状態を目指します。顧客のIT部門と現場部門がペアで担うケースも多く、それにより技術と業務の両面をカバーした運用が可能になります」(吉崎氏)

 ある顧客ではPlex導入前に85%程度だった在庫精度が99%近くまで向上し、棚卸しにかかる時間が2〜3日から半日程度に短縮したという。OEE(設備総合効率)も、手動プロセスで65%から75%へ、自動化プロセスでは80%から95%程度へと改善した例があり、計画精度の向上により完成車メーカーへの納期100%順守を達成したケースもある。

 Plexによる現場データの一元管理はコスト管理にも生きる。工程所要時間/材料使用量/設備稼働時間を製品、工程単位で把握できるため、ERPだけでは捉えにくい製品ごとの実際原価を算出し、適正な利益を確保した価格提示につなげられる。

 「売上規模でいえば数百億円以上のお客さまが費用対効果の面で最も合いやすい。とはいえ売上規模だけで適否が決まるわけではなく、一定の品種と生産量があり、順序立った製造工程を持つお客さまに特にマッチしやすい製品だといえます」(吉崎氏)

 契約更新率は96%超を維持しており、事業継続企業に限ればほぼ100%に近い水準だという。 

北米市場でPlexを導入した日本企業の一例 北米市場でPlexを導入した日本企業の一例[クリックで拡大]提供:ロックウェル オートメーション ジャパン

日本でのPlex展開を強化

 今後、日本市場におけるPlexの展開をさらに強化する考えだ。

 「世界的な品質基準に照らすと、必要な製造データを取得し、分析に活用するという点において、日本企業にはまだ課題があります。無駄や改善余地を把握するためにも、ERPが持つ計画/経営データと、MESが持つ現場データの両方をつなげて全体を見られるシステム基盤が重要です。グローバルで実績のあるPlexを日本市場に広げることで、そうした取り組みを支援したいです」(吉崎氏)

 Plexを通じたデータ基盤の構築の先にロックウェルが見据えるのが、製造データを活用した自律型工場への取り組みだ。AI活用の前提としても、現場データを蓄積し、分析に使える形へ整えることが求められる。

 「従来のMESは過去の実績を蓄える役割が中心でしたが、そのデータを活用することで生産の予測が可能となり、AIエージェントが改善策を提案して人が最終判断を下す、そうした段階へと移行しつつあります。Plexを中心にデータ基盤を構築し、AI機能の活用まで一貫して支援したいと考えています」(吉崎氏)

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提供:ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2026年8月14日