“見て覚えろ”はもう限界、製造業の“イロハ”を学ぶ教育サービスの可能性OJT依存からの脱却へ

人手不足が深刻化する中、新しい人材の即戦力化に向けた教育の重要性が高まっている。その中で、新たに製造業に必要な業務知識や管理の考え方を体系的に学べる教育サービス「アミックアカデミー(AMIACA)」を立ち上げたのが、製造業向け生産管理システムを30年以上にわたり手掛けてきたアミックだ。なぜアミックが製造業向け教育サービスに取り組むのか。本稿では、その立ち上げの背景とサービスの特徴を紹介する。

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» 2026年04月27日 10時00分 公開
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 人手不足や技能継承の難しさが深刻化する中、製造業では人材育成が大きな課題となっている。しかし現場では、実際の業務に携わりながら仕事を覚えるOJT(On-the-Job Training)中心の育成が一般的で、製造業に必要な業務管理やモノづくりの原理原則を体系的に学ぶ場は多くない。そのため、目の前の仕事は覚えられても、業務全体の流れや管理の意味を理解しにくく、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する場面で業務横断的な改革や改善などの視点を持ちにくいという問題点がある。

 ただ、現場部門の余裕がなくなる中で、社内のみでこうした専門教育を担うリソースを確保するのは容易ではない。結果として、体系的な学びの機会が不足しがちな状況にある。

システム導入の現場で見えてきた「専業教育」の必要性

 こうした課題に対し、システムベンダーのアミックは2026年1月に製造業に特化した教育サービス「アミックアカデミー(以下、AMIACA)」を開始した。アミックは1992年の設立以来、30年以上にわたり製造業向け基幹業務システムを開発、販売してきたシステムベンダーだ。現在は、ERP製品「STRAMMIC」とMES製品「Lite Factory」を主力に展開している。

 そのシステムベンダーであるアミックが、なぜ教育サービスを始めたのだろうか――。

photo アミック アカデミー推進センターの船田清一氏 提供:アミック

 アミック アカデミー推進センターの船田清一氏は、その背景について「従来のシステム導入時にも、製造業への理解が十分でない自社メンバーとプロジェクトを進める中で、その難しさを実感してきました。加えて、ユーザー側でもシステム導入の進め方や現場に必要な管理の考え方を十分に理解できていないケースがあり、こうした相互の知識不足が導入プロジェクトの難航や失敗につながることもありました。基本的な仕組みを相互に学ぶだけで解消できる問題も多くあり、歯がゆい思いをしてきました」と語る。

 そこでアミックでは、製造業の新人やシステム管理者、工場管理者などが、工場業務や生産管理、システム活用の基礎を体系的に学べる学習サービスの構想を固め、事業化に向けて取り組みを進めてきた。オージス総研グループ入りしたことで、サービス事業を形にしやすい環境も整い、2025年にAMIACA設立に着手し、2026年1月に正式にサービス提供を開始した。

photo AMIACAのWebサイト[クリックでWebサイトへ] 提供:アミック

製造業の原理原則を体系的に学べる「AMIACA」

 アミックはAMIACAを「製造業の業務管理やモノづくりのための原理原則を教える場」と位置付けている。これまで国産ERPのベンダーとして培ってきた生産管理の知見を教育サービスとして体系化し、広く提供しようという試みだ。船田氏は「ERPやSCMシステムを導入する際には、こうした業務管理の知識は必須となります。これらを体系的に学習できる仕組みをまずはアミック社内に向けて用意しました。それを外部にも提供できるようにしたという流れです」と説明する。

 受講形式は、動画をオンデマンドで視聴するeラーニングを中心とし、そこにリアルタイムで講師とのやりとりを行うオンライン講座を組み合わせたものとなっている。製造現場とITの双方を視野に入れた学びの場として設計しており、提供は法人向けを基本とする。企業の新人教育や人材育成の一環として活用されることを想定している。

 講座は、初級、中級、上級の3段階を用意する。初級編では、「工場とは何か」「工場業務とは何か」といった基礎に加え、製造業のデータ化の考え方も学ぶ。中級編では、在庫管理や購買管理、原価管理など、製造業の業務管理を支える各領域を段階的に学ぶ。上級編では、業務をデータとして管理し、改善活動につなげられるレベルを目指す。

 船田氏は「新人教育はもちろん、異動やリスキリングにも対応できるよう、受講者の習熟度や役割に応じた構成としています。現在は初級編を中心に、原価管理などのテーマ別講座を含む10講座を公開しており、今後は中級編も含めて順次拡充していく方針です」と説明する。

photo AMIACAのレベル感と講座内容[クリックで拡大] 提供:アミック

 アミック 販売推進室 室長の久米栄司氏は「日本の製造業では、設備やITへの投資が優先され、人への投資は後回しになりがちです。特に中堅/中小の製造業では、専業教育の必要性を感じていても、社内に適切な人材がいないという声が多くあります。生産管理システムを提供してきたアミックだからこそ、製造の管理業務とシステムを結び付けて捉え、お客さまの業務とシステムをつなぐ橋渡しができると考えています。DXプロジェクトの基礎教育にも最適だと考えます」と語る。

実務レベルの理解を促す、AMIACAならではの学習設計

 AMIACAの特徴は、製造業の専業教育に特化しているだけでなく、学習設計そのものに実務での定着を意識した工夫を盛り込んでいる点にある。一般的なeラーニングが単発販売を中心とするのに対し、AMIACAの講座は1講座当たり3〜4レッスンで構成され、確認テストやオンライン研修まで含めて理解を深める設計となっている。単発で安価に学べる講座ではなく、まとまった学習時間を前提に、実務に結び付く知識をしっかり身に付けることを重視している。

 その工夫の1つが、eラーニングとオンライン講座を組み合わせた学習形式だ。eラーニングだけでは理解が定着しにくいと考え、Zoomを活用した約3時間のオンライン講座を組み合わせている。講座によってはPowerPoint約200枚分に相当する内容を盛り込み、講師が資料の行間を補足するだけでなく、振り返りや実務に近い演習も行うことで、学んだ内容を現場で使える理解へとつなげる狙いがある。実際にExcelを使ってMRP計算をシミュレーションする内容も取り入れ、知識の習得にとどまらない学びを目指す。

 特にIT担当者向け講座では、システムの選定方法や社内要求事項の整理の仕方までを扱う。生産管理の原理原則を踏まえながら、自社に必要な仕組みを見極める力を養うことで、本来はコンサルタントに依頼するような内容を研修で学べるようにしている点も特徴だ。結果として、システム導入をよりスムーズに進めやすくなることが期待される。とはいえ、アミックの製品導入を前提とした内容ではなく、最終的に受講者が自社に必要な仕組みを考えられるようにしている。

photo IT部門の担当者のAMIACAの活用価値[クリックで拡大] 提供:アミック

 さらに、講座体系は担当分野ごとのキャリアパスを踏まえて設計されており「ビジネス・キャリア検定」のレベル感も参考にしながら学びの位置付けを示している。受講者が自分の役割や習熟度に応じた学習の目安を持ちやすい点も特徴だ。

photo アミック 販売推進室 室長の久米栄司氏

 また、AMIACAでは、工場業務や生産管理の原理原則を学ぶだけでなく、現場の業務をどうデータとして捉えるか、さらに業務に適したシステム化やデータ活用へどうつなげるかまで視野に入れている。工場業務の理解から個別業務のデータ最適化、業務に最適なシステム化やデータ利活用へと段階的に学べる構成としており、製造業DXを進めるための土台作りにもつながる。単発のeラーニングと比べると価格面でハードルを感じる向きはあるかもしれないが、その分、実務に直結する知見を体系的に学べる点が強みだ。

 久米氏は「システムの説明や教科書的な生産管理の知識は、大学や一般的なeラーニングでも学べます。ただ、システムが現場でどう使われるのか、現場のデータや情報がどう生かされるのかを現場目線で伝えられることは、アミックの大きな特徴です」と強調する。

photo AMIACAでのDX支援ステップ[クリックで拡大] 提供:アミック

 2026年1月のサービス提供開始後、同社ではAMIACAを自社の新人教育に活用してきた。Webサイトに掲載された受講者の声からは、製造業の業務理解を支える学びとして一定の手応えがうかがえる。

 受講者の1人は、それまで工場を漠然と「ベルトコンベヤーで物が流れ、最後に製品が完成する場所」と捉えていたが、講座を通じて、生産が指示書によって管理され、各工程が連動して進んでいることを理解できたと振り返る。また、工程ごとに独立して見えていた仕事が、一連の流れとしてつながっていると把握できたことで、生産の全体像が見えやすくなり、実務への不安の軽減にもつながったという。

 また別の受講者は、生産管理の講義が初心者にも分かりやすく、業務の流れをイメージしながら学べたとする。特に、Excelを使った演習を通じて、生産計画の立て方や在庫管理の考え方を実践的に理解できたという。講師が実務経験を交えて説明したことも、現場での活用イメージを持つ助けになったようだ。外部受講の広がりはこれからだが、AMIACAは、製造業の業務や生産管理の理解を深める場として期待される。

今後は手軽に受講できるライト版講座の展開も視野に

 現在、AMIACAは立ち上げ期として、まずは「しっかり学べる」内容の充実した講座の拡充に注力している。一方で、講座を作り込むほど内容が重厚になっていくことから、今後はそれらを基に、より手軽に受講できるライト版講座の展開も視野に入れている。船田氏は、「まずは理解を深められる本格的な講座を整え、その後に入り口となる講座を広げることで、より多くの方に学びの機会を届けたい」と語る。

 久米氏は「今後はアミックだけで完結するのではなく、製造業やITの知見が集まる場に育てていきたいと考えています。日本の製造業には多くのベテラン人材がいるので、そうした方々にも加わってもらいながら、AMIACAをさらに成長させていきたい。ITと製造の人材が集い、その知見が全体に還元されていくのが理想の姿です」と述べた。

 人手不足が常態化し、現場で人を育てる余裕が失われつつある今、製造業にはOJTだけでは身に付きにくい体系的な知識を学べる場が求められている。AMIACAは、工場業務や生産管理の基礎から、業務とシステムをつなぐ視点までを学べる教育サービスとして、そうしたニーズに応えようとしている。製造業の現場を理解し、システム活用まで見据えて人材を育てたい企業にとって、有力な選択肢の1つとなるだろう。

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提供:株式会社アミック
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2026年5月26日