RAIDで守れるはずが……? 製造業を襲うデータ消失と正しい初動対応とは壊れたRAID機器のデータを復旧

製造業のデジタル化が進むなか、図面や製造記録、受発注情報など、重要なデータを扱う機会が増えている。しかし、ストレージシステムの運用に十分な配慮をしている企業は意外と少ない。ひとたびトラブルが発生すれば、大切なデータが突然失われるリスクもある。では、こうした予期せぬ事態を防ぐには、日頃からどのような備えが求められるのだろうか。

PR/MONOist
» 2025年08月18日 10時00分 公開
PR

 製造業のデジタル化が進む中で、データトラブルの影響が無視できなくなっている。図面や製造記録、生産工程の管理まで、サーバやNAS(ネットワーク接続型のHDD)といったストレージ機器に依存する場面は増えており、ひとたび障害が起きれば、生産停止や受発注の遅延といった深刻な事態に直結する。しかも、問題はそれだけではない。CADの図面データや、販売/仕入れにかかわる情報など、企業にとってかけがえのない資産が失われるとなれば、その影響は一時的な業務停止では済まず、長期的な損失にもつながりかねないのだ。

経年劣化が引き金に増加する製造業のストレージ障害

 「近年の製造業の現場において、ストレージに関するデータトラブルは確実に増加しています」と語るのは、デジタルデータソリューション データリカバリー事業部の片山雄介氏だ。デジタルデータソリューションは「データ復旧」「フォレンジック調査」「セキュリティ対策」などを提供する国内有数の専門企業であり、主力ブランド「デジタルデータリカバリー」は、累計46万件以上の相談実績を誇る。その中で片山氏は、エンジニアグループのフィジカルチーム長として、物理的に損傷したストレージ機器の復旧作業に従事している。

photo デジタルデータソリューション データリカバリー事業部 エンジニアグループ フィジカルチーム長の片山雄介氏 提供:デジタルデータソリューション

 「製造現場では、同じストレージ機器を何年も使い続けることが多く、長期運用による障害は珍しくありません。実際、当社が対応した案件では、CADデータを保管していたサーバに経年劣化とみられる物理障害が発生し、業務が一時停止した事例もありました。特にHDDの場合、データの読み書きを担うヘッドが、記録ディスクに触れて傷をつける『スクラッチ障害』が、年数とともに起きやすくなります。一度傷が入れば、その部分のデータはほぼ読み出せず、復旧難易度は一気に跳ね上がります」(片山氏)

 こうした経年劣化によるトラブルとは別に、運用体制に起因するデータ消失も少なくないという。

 「いわゆる“人災”によって障害が発生するケースも少なくありません。例えば、長年同じ業務を担当していた方が退職し、十分な引き継ぎが行われなかったために、重要なデータを誤って削除してしまったケースであったり、『RAID(複数のHDDを1つの記憶装置として扱う冗長構成技術)だから安全だ』と、仕組みを十分に理解しないまま運用を続けた結果、全てのHDDが故障し、データを読み出せなくなったりした事例もありました。最近ではクラウドにデータを移行したものの、設定や仕様を把握しておらず、実際にはバックアップが取れていなかったというケースも見られます」(片山氏)

 製造業の各現場では、いまだに業務が属人的に運用されているケースが多く、経営層やIT部門ではこうした現場の実態やシステムの状況を十分に把握できていないことも多い。こうした環境は、データ管理やストレージ運用においても大きなリスクとなり得る。加えて、最近ではランサムウェアなどサイバー攻撃による被害も見過ごせないものになっている。

日常的なバックアップと環境整備でリスクに備える

 では、多様なデータトラブルが深刻化する中、これらを避けるためにはどのような対策が必要なのだろうか。片山氏は「データの行方を常に意識することが重要です」と指摘する。

 「何らかの損害でデータが失われた場合、データ復旧には一定の費用がかかります。そのため、トラブル発生後に対処するより、日常的にバックアップを取っておくことが非常に効果的です。クラウドの活用が難しい場合もありますが、可能な範囲で備えるだけでもリスク軽減につながります」(片山氏)

photo デジタルデータソリューション データリカバリー事業部 エンジニアグループ グループ長の吉田翔馬氏 提供:デジタルデータソリューション

 加えて、同社のデータリカバリー事業部 エンジニアグループ グループ長の吉田翔馬氏は、データの損失を避ける環境の構築も大切だと訴える。

 「例えば、RAID構成を活用し、1台のHDDが故障してもシステムが停止しないよう設計しておくことは、有効な対策だといえます。HDDからSSDへの切り替えや、定期的な点検の実施も、日々のリスクを軽減するうえで効果的でしょう。何より重要なのは、トラブルが発生しても業務が止まらない環境を、平常時から整えておくことです。そのためには、重要なデータがどこにあり、どのように運用されているかを日常的に把握しておく必要があります。特に、業務データや基幹データベースなど代替のきかない情報については、データの重要度に応じて優先的に対策を進めることが、効率的なアプローチといえるでしょう」(吉田氏)

 しかし、どれだけ備えていても、OSのアップデートや突発的な電源トラブルなど、思いがけないきっかけでデータ障害は突然発生する。特に初動対応を誤ると、かえって状況を悪化させてしまうおそれがある。

 吉田氏は次のように警鐘を鳴らす。

 「インシデント発生からの48時間が重要だといわれていますが、その間に誤った判断を下してしまうケースは少なくありません。例えば、起動しないからと何度も電源を入れ直したり、RAID構成の機器で自己判断によるリビルド(再構築)を試みたりして、かえって障害を悪化させてしまうことがあります。実際に、こうした対応が原因で、復旧が不可能になったケースもありました」(吉田氏)

 製造業では「稼働を止めない」ことが最優先とされるが、最も安全かつ確実な方法は、速やかに専門業者に相談することだ。万一の事態でも事態を冷静に判断し、確実な復旧に導いてくれるパートナーの存在は、製造業の安定稼働を支える上で、欠かせない存在になりつつある。

一部復旧を含む復旧件数割合91.5%、技術力とスピードを両立

 デジタルデータソリューションが展開するデジタルデータリカバリーは、初期診断からデータ復旧作業までを一貫して自社で実施する体制を整えており、一部復旧を含む復旧件数割合は91.5%(内、完全復旧57.8%。復旧件数割合=データ復旧件数/データ復旧ご依頼件数。2023年10月実績)となっている。企業に加え、官公庁や警察機関からの依頼も多く、セキュリティベンダーとの提携などを通じて、高度なインシデント対応力を備えている。さらに、複数の大手損害保険会社から指定を受け、第三者対応としての信頼も厚い。

photo デジタルデータソリューション エントランス[クリックで拡大] 提供:デジタルデータソリューション

 デジタルデータリカバリーが高く評価される理由のひとつは、その技術力にある。HDDの破損や基板故障といった物理障害から、誤操作やシステム不具合による論理的なデータ消失まで、あらゆるトラブルに対応しており、RAID構成やPC-98系、レガシーOS、産業用機器など、製造業に見られる旧式かつ特殊な環境にも対応している。

 特に強みを発揮しているのは、他社では復旧が困難とされるスクラッチ障害(記録面に傷が入ったHDD)だ。デジタルデータリカバリーでは、独自に開発した研磨技術により、復旧の可能性を大幅に高めることに成功している。復旧作業は、静電気や微細なホコリすら遮断するクラス100のクリーンルーム内で行われ、精密機器への二次被害を防ぎながら、安全かつ確実な作業を徹底している。こうした高度な技術力や設備体制が評価され、2021年には東京都から「経営革新優秀賞」を受賞している。

 セキュリティ対策についても万全の体制を築いている。同社ではISO 27001とプライバシーマークを取得し、国際空港レベルのセキュリティゲートと監視カメラを備えた入退室管理を徹底している。機器の持ち込みや持ち出しまで一元的に管理し、機密性の高い案件でも安心して依頼できる。

photo データ復旧ラボに設けられたクリーンルーム。HDD開封時のちりやほこりの混入を防ぎ、精密作業に適した環境を備えている[クリックで拡大] 提供:デジタルデータソリューション

 さらに、同社の強みのひとつが、7300台以上のドナーHDD(部品取り用HDD)を常備している点だ。製造現場では老朽化したシステムや機器が多数稼働しており、サポート終了や、部品調達が困難といったケースも少なくない。同社では、旧式から最新モデルまで各メーカー/型番の製品を幅広く在庫として確保し、互換性情報を蓄積した独自データベースを構築している。こうした体制により、老朽機器や部品調達が難しい案件でも最短で当日中に復旧可能で、全体の約8割が48時間以内に復旧対応可能となっている。

photo 社内には約7000台以上のドナーHDDが常備されており、迅速かつ柔軟な対応体制を整えている[クリックで拡大] 提供:デジタルデータソリューション

24時間365日対応、盆暮れの長期休暇も安心サポート

 デジタルリカバリーでは、初期診断から納品に至るまで、迅速かつ確実な対応を可能にする分かりやすい対応フローを整備している。

 まず、電話や問い合わせフォームから相談を受け付け、専門アドバイザーが障害状況をヒアリングする。復旧の可否やおおよその費用や日数を案内したうえで、機器を宅配または予約のうえ持ち込んでもらう。法人向けには、大型機器にも対応した全国無料の出張診断サービスも提供している。機器到着後は最短5分で初期診断を行い、復旧可能性や作業期間、見積金額を提示する。ここまでの工程は全て無料だ。「まず見積もりを出してから検討したい」という企業にとっても依頼しやすい体制が整えられている。

 復旧作業後は、依頼者が希望するデータの復旧可否を確認し、重要データが復旧できなかった場合は、費用を減額または無償で対応する。事前に説明と了承を得たうえで進めるため、請求に関して不明瞭な点は一切ない。

 データ納品は基本的に入金確認後に行われるが、法人顧客には請求書払いの相談にも対応している(官公庁の場合は審査なしで対応可能)。さらに、復旧保証付きHDD販売や10日間無料のHDDレンタルも提供しており、依頼者の負担軽減にも配慮している。

 デジタルデータソリューションでは、これらのサービスを、24時間365日体制で提供している。実際、RAID構成の社内サーバがダウンした事例では、他社での復旧が困難とされた複合障害に対し、出張診断から復旧完了までわずか3日で、3.1TBのデータをスピード復旧したケースもあるという。

 「製造業では、長期休暇明けの再稼働が特にリスクの高いタイミングです。通電トラブルやRAID再構築失敗、温湿度変化による不具合、ケーブルの接続ミスなどが複合的に起きやすく、障害が深刻化することも少なくありません。当社は、24時間365日の体制により、そうした緊急時にも迅速に対応できる体制を整えています」(片山氏)

photo 復旧作業の様子[クリックで拡大] 提供:デジタルデータソリューション

研究開発を通じて、あらゆる障害への対応力を強化

 今後、製造現場のさらなるデジタル化やネットワーク化に伴い、データの重要性が高まる一方、ストレージ障害時のリスクはますます高まるのは明らかだ。

 こうした状況に対し吉田氏は「『困った人を助け、困った人を生み出さず、世界中のデータトラブルを解決します。』というのが当社の理念です。現在の技術では対応が難しいケースも一部にはありますが、そうしたお客さまのトラブルにも応えられるよう、継続して研究開発を続けていきます」と抱負を述べる。

 前述のように、長期休暇のタイミングは、サーバやストレージの稼働停止や電源オフが引き金となり、RAID構成の不具合やハードウェア障害が発生しやすい時期だ。8〜9月は夏季休暇を取ったり、休みを生かして新たな設備やオペレーションを導入したりするケースも多いだろう。ただ、休み明けに装置の電源を入れたもののサーバが起動せず、生産ラインが停止してしまったり、工場内で共有しているNASが反応せず、業務に支障を生んだりするトラブルが起こりがちだ。

 万が一、こうした事態に直面したとき、焦って自己判断で対応するのではなく、被害の拡大を防ぐためにも、まずは専門家に相談すべきだ。24時間365日体制で出張診断にも対応するデジタルデータソリューションは、こうしたデータトラブル時にも“データ復旧の駆け込み寺”となってくれるだろう。

photo 吉田氏(右)と片山氏(左) 提供:デジタルデータソリューション

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:デジタルデータソリューション株式会社
アイティメディア営業企画/制作:MONOist 編集部/掲載内容有効期限:2025年9月8日